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広島市立中央図書館、被爆80周年記念事業「原爆・平和を読み語り継ぐ事業」企画展「〈ヒロシマ〉被爆を知る・調べる」を開催中

2025年7月12日から8月31日まで、広島市立中央図書館において被爆80周年記念事業「原爆・平和を読み語り継ぐ事業」企画展「〈ヒロシマ〉被爆を知る・調べる」が開催されています。

同館の広島資料室で収集されてきた資料が、「被爆の実相」「被爆前の町と暮らし」「若者たちの継承活動」等15のテーマに分けて紹介されています。また、同館の広島文学資料室収集対象作家の原爆に関わる作品も紹介されています。

関連イベントとして、8月10日に「被爆体験者の証言を聞く会」が開催されます。

被爆80周年記念事業「原爆・平和を読み語り継ぐ事業」企画展「〈ヒロシマ〉 被爆を知る・調べる」(広島市立図書館, 2025/7/1)
https://www.library.city.hiroshima.jp/news/chuou/2025/07/4948.html

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あわら市芦原図書館、「夏休み特別企画!芦原図書館に妖怪あらわる」を開催中:ARやAIの体験も

2025年7月27日から8月10日まで、あわら市芦原図書館(福井県)が、「夏休み特別企画!芦原図書館に妖怪あらわる」を開催しています。

デジタルアート体験などもできる妖怪イベント「あわらに妖怪あらわる」を毎年11月に同市内で手掛ける、「湯のまちアート実行委員会」とのコラボレーションによるイベントとあります。

タブレットをかざすと図書館内に妖怪が出現するAR体験や、おはなし会の後にあわらの民話の紙芝居に出てきた妖怪を生成AIで作成するなど、様々なプログラムが予定されています。

夏休み特別企画!芦原図書館に妖怪あらわる(あわら市図書館, 2025/7/12)
https://lib.city.awara.lg.jp/2084.html

芦原図書館夏休み特別企画!芦原図書館に妖怪あらわる(あわら市, 2025/7/1)
https://www.city.awara.lg.jp/event-into/youkaitosyokan.html

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学術図書館員のキャリアパスが与える影響(文献紹介)

Library & Information Science Research誌の47巻3号に、米国の学術図書館員のキャリアパスが与える影響に関する記事“The career pathways of academic librarians: A kaleidoscope career model analysis of faculty identity and institutional engagement”が掲載されています。著者は、米・アビリーン・クリスチャン大学のJames A. Wiser氏です。

学術図書館員としてのキャリアがファーストキャリアかセカンドキャリアかによって、教員としての地位、テニュア(終身雇用)プロセス、機関への忠誠心等にどのように影響するかが考究されています。類似する二つの研究大学の図書館員18人(各大学9人ずつ)を対象に、半構造化インタビューを用いて実体験が調査され、その分析結果がまとめられています。

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データサイエンス分野における図書館の役割について(文献紹介)

2025年7月19日付けで、査読付きオープンアクセス誌Journal of eScience Librarianshipの14巻1号に、データサイエンス分野における図書館の役割に関する論文“Data Please!: Expanding the Role of Libraries in Data Science through Digital Scholarship”が掲載されています。著者は、米・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のHalie Kerns氏です。

大学図書館は、データサイエンスの活動を支援する上で有利な立場にあるとし、STEM及び関連分野の同校教職員と大学院生26人にインタビューを行い、図書館が提供すべき支援やサービスについて調査しています。調査の結果、データサイエンス分野において図書館は重要なハブとしての役割を担っているとし、今後強化しうる主な領域として、アウトリーチ活動による学際的連携の促進、校内のニーズに合ったデータサイエンスのプログラミングの開発、データ集約型研究のための物理的及びデジタルなインフラの構築の三つを挙げています。

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石川県立歴史博物館、令和7年度夏期特別展「未来へつなぐ―能登半島地震とレスキュー文化財―」を開催中

2025年7月26日から8月31日まで、石川県立歴史博物館(金沢市)において令和7年度夏期特別展「未来へつなぐ―能登半島地震とレスキュー文化財―」が開催されています。

令和6年能登半島地震の被災地からレスキューされた文化財が展示されています。地震から1年半以上経った現在も、救出されていない文化財が存在する可能性があるとし、展示により文化財レスキューについて知り、地域の歴史を語る資料の救出を求める声を上げてほしいとしています。

関連イベントとして、石川の歴史遺産セミナー、ワークショップ、学芸員による展示解説等が実施されます。

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国際図書館連盟(IFLA)、世界の図書館協会による著作権に関する取組についてのレポートを公表

2025年7月25日、国際図書館連盟(IFLA)が、世界の図書館協会による著作権に関する取組についてのレポート“The Right Copyright: Library Association Engagement in Copyright Around the World”を公表しました。

著作権法は一国の全域に適用されるものであるため、著作権は図書館協会が一定の役割を果たすのが自然な分野であるとしています。しかし、著作権は時に複雑で対立を生みやすい問題として捉えられ、他の課題よりも優先順位を低くされがちであると述べています。このような背景を踏まえ、本レポートは、図書館協会やその他の団体が著作権に関する取組をどのように強化できるかを検討する一助となるべく作成されたとあります。

Making the case for the right copyright(IFLA, 2025/7/25)
https://www.ifla.org/news/making-the-case-for-the-right-copyright/

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九州大学、「前近代日本―アジア関係資料デジタルアーカイブ」を公開

2025年7月25日、九州大学が「前近代日本―アジア関係資料デジタルアーカイブ」を公開しました。

同大学の人文科学研究院と附属図書館が協働で構築したデジタルアーカイブです。同大学が所蔵する歴史資料の中から、近代以前(19世紀後半まで)の日本とアジアとの交流、アジアの海を媒介とした世界との交流を示す資料の一部を紹介するもので、資料の画像とテキストが対照表示され、様々な角度から資料を検索できる点が特色であるとされます。

翻刻テキストの一部には、市民協働型の外部プロジェクト「みんなで翻刻―翻刻!九州大学の書物たち―」の成果が活用されているとあります。

公開!「前近代日本―アジア関係資料デジタルアーカイブ」(九州大学附属図書館, 2025/7/25)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/101556

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スペイン国立図書館(BNE)、同館の主要なデジタルコレクションを統合するプラットフォームの構築を発表

2025年7月16日、スペイン国立図書館(BNE)が、同館の主要な四つのデジタルコレクションを統合するプラットフォームの構築を発表しました。

新たなインターフェースでは、電子図書館Biblioteca Digital Hispánica、逐次刊行物の電子図書館Hemeroteca Digital、電子出版物コレクション、出版者から納められた印刷前のデジタルファイルで構成されるプレプリントコレクションの四つのコレクションの一元的な検索が可能になるとあります。

新プラットフォームは2025年秋頃に公開される予定です。

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交通経済研究所資料室、企画展示「交通図書賞を振り返る:50年の歩み」を開催中

2025年7月14日から9月12日まで、一般財団法人交通経済研究所資料室(東京都台東区)において企画展示「交通図書賞を振り返る:50年の歩み」が開催されています。

交通図書賞は、優れた交通関連図書を選び広く推奨することで、交通知識の普及と交通従事者の教養向上を目的とする顕彰事業です。交通経済研究所は、長年にわたり審査委員や講演を行っているほか、同賞の全ての受賞図書を所蔵しているとあります。

展示では、同賞の第1回(1975年)から第50回(2024年)の受賞図書が紹介されています。

企画展示 交通図書賞を振り返る 50年の歩み [PDF:7ページ]
https://www.itej.or.jp/cp/wp-content/uploads/tenji/exhibition_202507.pdf

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国際図書館連盟(IFLA)、図書館のアドボカシーに関するアンケート調査の結果を公開

2025年7月22日、国際図書館連盟(IFLA)が、図書館のアドボカシーに関するアンケート調査の結果を公開しました。

2021年、2023年に次ぐ3回目の調査で、2025年5月と6月に実施されました。図書館をめぐる政治やアドボカシーの状況等に関して、図書館職員等の見解を共有することを目的としているとあります。得られた190件の回答を基に、結果がまとめられています。

Addressing the perceptions gap: IFLA Regional Advocacy Priorities Survey Results 2025(IFLA, 2025/7/22)
https://www.ifla.org/news/addressing-the-perceptions-gap-ifla-regional-advocacy-priorities-survey-results-2025/

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オーストラリアとニュージーランドの大学、オープンアクセス出版に係る大手出版社との交渉についての共同声明を発表

2025年7月25日付けで、オーストラレーシア大学図書館員協議会(Council of Australasian University Librarians: CAUL)と、大学連盟であるUniversities Australia及びUniversities New Zealandが連名で、オープンアクセス(OA)出版に係る大手出版社との交渉についての共同声明を発表しました。

オーストラリアとニュージーランドの大学は、Elsevier社、Springer Nature社、Wiley社及びTaylor & Francis社とのOA学術出版についての今後の交渉において、統一した立場をとることが表明されています。

大学予算の厳しさが増し、OA出版のコスト上昇への懸念が高まる中、より持続可能で、透明性が高く、公平であり、研究への公的投資に対するより良い価値を提供できるような新たな契約を締結することを目指すと述べられています。

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仏・スポーツアーカイブズに関する国家プロジェクト(2022~2024年)の報告書を公表

2025年7月18日、フランス・文化省が運営するポータルサイトFranceArchivesで、2022年から2024年にかけて実施されたスポーツアーカイブズに関する国家プロジェクトの報告書が公表されました。

同プロジェクトは、2024年のパリオリンピック・パラリンピック競技大会の開催に当たり、文化省の旗艦プロジェクトである「文化オリンピック」の一環として実施されました。国及び地域の約200のアーカイブズ機関等の参加を得て、19世紀初頭から現代までの様々なスポーツの記録が収集されたとされます。

La Grande Collecte des archives du sport (2022-2024)(FranceArchives, 2025/7/18)
https://francearchives.gouv.fr/fr/article/667843638

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国際図書館連盟(IFLA)、デジタル文化遺産に関するネットワークを発足

2025年7月24日、国際図書館連盟(IFLA)が、デジタル文化遺産(Digital Cultural Heritage:DCH)ネットワークの発足を発表しました。

DCHネットワークは、デジタル形式の文化遺産に関し、既に行われている様々な議論を一つにまとめ、関連する知識、専門技術、優れた実践のハブとして機能し、デジタル文化遺産に積極的に取り組む人を支援することを目的とするとあります。

今後の予定は次のとおりとしています。

・今後1年間で、初期のメンバーシップを確立し、中核となる知識ベースを構築し、オンライン上の存在感を高め、取り組むべき優先テーマを特定する。
・その後、特定された優先テーマを基に、デジタル文化遺産に関する外部の動向に適宜対応し、デジタル文化遺産の収集、管理、保存、アドボカシー、利用に関する知識をIFLAの会員全体でより広く共有する。

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Europeana、文化遺産機関によるデジタル保存活動が環境に及ぼす影響等を調査した報告書を公開

2025年7月17日、Europeanaが文化遺産機関によるデジタル保存活動が環境に及ぼす影響等を調査した報告書“Regenerative digital transformation: sustainable pathways for cultural heritage”をウェブサイト上で公開しました。

調査はEuropeanaのタスクフォースEnvironmental Sustainability Practice Task Forceによって2023年に実施されました。24の欧州連合(EU)加盟国と6の非加盟国に所在する図書館、研究機関等から108件の回答があったとあります。

報告書では、回答機関におけるデジタル保存の実践や持続可能性に関する取組状況等がまとめられているほか、フィンランド国立図書館を含む3機関のケーススタディも掲載されています。

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韓国図書館協会、自然と共生する公共図書館の事例集を刊行

2025年7月1日、韓国図書館協会が、自然と共生する公共図書館の事例集『숲속에서 만난 도서관』(森の中で出会った図書館)を刊行したと発表しました。

森や公園など、自然の中にある韓国の九つの公共図書館の事例を取り上げています。これらの図書館は、本を読む空間であるだけでなく、日常生活に疲れた人にとって休息の場となっているとし、地域と自然と人とをつなぐ図書館の社会的役割について、様々な観点から紹介しています。

同書のPDF版は、韓国図書館協会のウェブサイトで公開されています。

[보도자료] 한국도서관협회, ‘숲속에서 만난 도서관’ 사례집 발간(韓国図書館協会, 2025/7/1)
https://www.kla.kr/boards/4/posts/1112512?menuIds=1,11

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オープンサイエンス・インフラストラクチャーの支援機関を一覧できるプラットフォーム“Transparency to Sustain Open Science Infrastructure”(TSOSI)のβ版が公開

2025年7月23日、フランス高等教育・研究省が、オープンサイエンス・インフラストラクチャーの支援機関を一覧できるプラットフォーム“Transparency to Sustain Open Science Infrastructure”(TSOSI)のβ版が公開されたと発表しました。

プラットフォームは、Directory of Open Access Journals(DOAJ)等のオープンサイエンスを支えるインフラストラクチャーに対する財政的支援を実施している機関を明らかにし、更なる支援を促進することを目指すもので、同省の資金提供を受け、グルノーブル・アルプ大学が主導して開発されました。7月24日時点で、47か国から1,032の機関が掲載されています。

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アジアにおけるオープンアクセスの課題:ライセンスと著作権等について(記事紹介)

学術情報流通に関連した話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)が運営するブログ“The Scholarly Kitchen”に、2025年7月23日付けで、ブログ記事“Beyond Access: Untangling Copyright Confusion in Asian Open Access Journals”が掲載されています。著者は、学術出版に係る優良事例のアジアでの普及に取り組む団体Asian Council of Science Editorsのコミュニケーション・ディレクター等を務めるMaryam Sayab氏等です。

アジア地域全体でオープンアクセスの導入が進んでいるものの、多くの場合、統一されたポリシーやインフラが整っていないとしています。特に、多くのジャーナルでは、ライセンスと著作権について法的に曖昧さがある点を指摘し、ライセンスを明確化することの必要性を説いています。

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米国議会図書館(LC)、デジタルコレクションを活用して地方のコミュニティにおけるデジタル体験を創出するイニシアチブ“LOCal”を開始

2025年7月17日、米国議会図書館(LC)が、同館のデジタルコレクションを活用して地方のコミュニティにおけるデジタル体験を創出するイニシアチブ“LOCal”の開始を発表しました。

“LOCal”は、公共図書館及やコミュニティと協働しながら、新たな技術やアプローチによってLCのデジタルコレクションを活用したデジタル体験を創り出す取組とあります。パートナー館として東オクラホマ図書館(Eastern Oklahoma Library System;オクラホマ州)とクリーブランド公共図書館(Cleveland Public Library;オハイオ州)が選定されており、2026年にはオクラホマとクリーブランドにおいて、インタラクティブなデジタル体験ができるデジタル・インスタレーションが開始される予定です。

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九州工業大学附属図書館、蔵書検索された資料を請求記号が隣接する資料とともに表示できる仮想書架機能を追加

2025年7月17日、九州工業大学附属図書館は、蔵書検索された資料を請求記号が隣接する資料とともに表示できる仮想書架機能を追加したと発表しました。

類似の本が確認できる「仮想書架機能」の追加について(九州工業大学附属図書館, 2025/7/17)
https://www.lib.kyutech.ac.jp/library/ja/node/1887

参考:
E2772 – 読書案内「新書マップ4D」の開発経緯とサービス概要
カレントアウェアネス-E No.497 2025.02.27
https://current.ndl.go.jp/e2772

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英国国立公文書館(TNA)、内閣府及び首相府の文書を公開

2025年7月22日、英国国立公文書館(TNA)は、デジタル化した内閣府及び首相府の文書200件を公開しました。

今回の公開には、首相府が保管していたトニー・ブレア政権に関する過去の文書、マーガレット・サッチャー政権及びジョン・メージャー政権の記録も含まれているとあります。

Latest release of Cabinet Office and Prime Ministers’ papers(TNA, 2025/7/22)
https://www.nationalarchives.gov.uk/about/news/cabinet-office-records-released/

参考:
英国公文書館(TNA)、2000年から2002年までの内閣府の文書を公開 [2023年01月13日]
https://current.ndl.go.jp/car/170724

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