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研究者が直面するオープンアクセス出版の障壁:2004年から2023年までの文献レビュー(文献紹介)

英国王立協会(The Royal Society)が刊行するオープンアクセス(OA)誌“Royal Society Open Science”の12巻8号に、研究者が直面するOA出版の障壁に関するレビュー記事“Hurdles to open access publishing faced by authors: a scoping literature review from 2004 to 2023”が掲載されています。著者は、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)のNataliia Kaliuzhna氏等です。

記事では、OA出版を目指す研究者が直面する障壁について取り上げた、2004年から2023年までの20年の間に刊行された113件の論文がレビューされています。その結果、82の障壁が特定され、これらは財政的な問題等に関する「実践上の障壁」、研究者のスキルや知識の不足等に関する「能力の欠如」、OA出版に対する研究者の不安や認識に関する「感情」、学術コミュニケーション分野における法的枠組み等に関する「ポリシー・ガバナンス」の四つのクラスターに分類されたとし、各クラスターに関する分析結果が報告されています。「感情」に分類された障壁の割合が最も高く、レビューで特定された障壁の51.2%を占めたことなどが紹介されています。

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ドイツ学術機関連盟、学術出版の発展に向けた新たな戦略“Strategie der Allianz für die Weiterentwicklung des wissenschaftlichen Publikationswesens 2026-2030”を発表

2025年7月30日、ドイツ学術機関連盟(Allianz der Wissenschaftsorganisationen)が学術出版の発展に向けた新たな戦略として、“Strategie der Allianz für die Weiterentwicklung des wissenschaftlichen Publikationswesens 2026-2030”を発表しました。

同連盟のオープンアクセス(OA)に関する戦略“Open-Access-Strategie der Allianz 2021-2025”の内容を更新したものとあります。戦略では、特に重点を置く四領域として、変化の激しい学術出版の分野における動向を評価し適切な働きかけを行うこと、(特にDEALコンソーシアムにおける)更なる交渉に向けた準備を進めること等が挙げられています。

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Ithaka S+R、学術電子書籍ビジネスモデルに関する調査報告書を公開

2025年8月13日、米国の非営利団体Ithakaの調査部門Ithaka S+Rが、学術電子書籍ビジネスモデルに関する調査報告書“The Current State of Academic E-Book Business Models: Access Strategies and Budgeting Realities”を公開しました。著者は、Ithaka S+RのTracy Bergstrom氏とMakala Skinner氏です。

米国及び欧州の人文社会科学分野の学術電子書籍出版のビジネスモデルが図書館や著者のニーズをどの程度満たしているかに関する調査であり、学術図書館、出版者、著者などへのインタビュー等が実施されました。

調査の主な結果として、以下のようなものが挙げられています。

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図書館情報学分野のジャーナルにおける生成AI利用に関する透明性の現状(文献紹介)

2025年7月31日付けで、Chinese American Librarians Association(CALA)が発行する図書館情報学分野の査読誌“International Journal of Librarianship”に、図書館情報学分野のジャーナルにおける生成AI利用に関する透明性の現状を調査した論文“AI in Scholarly Publishing: A Study on LIS Journals’ Guidelines and Policies”が掲載されています。著者は米・ヒューストン大学のWenli Gao氏等です。

図書館情報学分野のジャーナル45誌を対象として、出版ガイドラインやポリシーから論文の投稿、査読、編集における生成AIの利用に関する記述を調査し、出版者ごとの特徴やインパクトファクターとの関連等を分析しています。結果として、45誌中31誌が生成AIツールの利用に関する立場を示しており、透明性確保のため、生成AIを利用した際には論文で明示するよう義務付けていたこと等が示されています。

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英国王立協会、2026年から同協会が発行する学術誌8誌において“Subscribe to Open”モデルを導入

2025年8月6日、英国王立協会が2026年から同協会が発行する学術誌8誌において“Subscribe to Open”(S2O)モデルを導入すると発表しました。

S2Oは年間購読収入を基に、年単位で学術誌をオープンアクセス(OA)に転換する出版モデルです。一定数以上の機関が購読契約を行い、購読収入が十分な額に達した場合に、その年に刊行される当該誌の巻号がOAとして公開されます。

同モデルの導入により、2026年には同協会が発行する全ての学術誌がOAに転換することになる見込みとしています。

Royal Society sets out plan to move journals to full open access in 2026 through Subscribe to Open(The Royal Society, 2025/8/6)
https://royalsociety.org/news/2025/08/subscribe-to-open/

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オープンアクセス出版に関する国際動向(記事紹介)

2025年8月6日付けで、米国・国立科学財団(National Science Foundation: NSF)の傘下の統計機関であるNational Center for Science and Engineering Statistics(NCSES)が、オープンアクセス(OA)出版に関する国際的な動向を考察した記事“Open-Access Publishing in a Global Context”をウェブサイトに掲載しました。

出版物のメタデータのデータベースScopusを用いて、2003年から2022年までのOA出版物に関する世界の状況を調査しています。

主な調査結果として、米国と中国の研究者は、出版数全体では依然としてクローズドアクセスが主流であるものの、過去20年間でOA論文の出版が増加傾向にあることや、多くの低所得国では高所得国よりもゴールドOA論文で出版する割合が高いことなどが述べられています。

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Knowledge Exchange、革新的特徴を持つ新たな学術出版プラットフォームに関する調査プロジェクトを開始

2025年7月3日、オープンサイエンスのためのデジタルインフラ開発の支援を目的に、英・Jisc等の六つの高等教育関係機関が共同で運営している組織Knowledge Exchangeが、革新的特徴を持つ新たな学術出版プラットフォームである“Alternative Publishing Platforms”に関する調査プロジェクトを開始すると発表しました。

発表によると、“Alternative Publishing Platforms”は対応する出版物の分野や種類、プレプリントの公開、査読プロセス等において、従来の学術出版プラットフォームと異なる特徴を有する学術出版プラットフォームを指し、Octopus、F1000Research等が例として挙げられています。プロジェクトは、これらのプラットフォームが学術コミュニケーションに与える影響等を調査するもので、2026年に報告書が公開予定とあります。

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オーストラリアとニュージーランドの大学、オープンアクセス出版に係る大手出版社との交渉についての共同声明を発表

2025年7月25日付けで、オーストラレーシア大学図書館員協議会(Council of Australasian University Librarians: CAUL)と、大学連盟であるUniversities Australia及びUniversities New Zealandが連名で、オープンアクセス(OA)出版に係る大手出版社との交渉についての共同声明を発表しました。

オーストラリアとニュージーランドの大学は、Elsevier社、Springer Nature社、Wiley社及びTaylor & Francis社とのOA学術出版についての今後の交渉において、統一した立場をとることが表明されています。

大学予算の厳しさが増し、OA出版のコスト上昇への懸念が高まる中、より持続可能で、透明性が高く、公平であり、研究への公的投資に対するより良い価値を提供できるような新たな契約を締結することを目指すと述べられています。

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Library Publishing Coalition(LPC)、図書館出版に関する主要な研究課題を示した“Library Publishing Research Agenda”の第2版を公開

2025年7月17日、図書館による出版活動を進める大学図書館等によるイニシアティブLibrary Publishing Coalition(LPC)が、図書館出版に関する主要な研究課題を示した“Library Publishing Research Agenda”の第2版をウェブサイト上で公開しました。

図書館出版に関する実践を強化するために更なる研究が求められる領域を示したもので、2020年に初版が公開されました。「評価」「アクセシビリティ」「査読」等の六つのトピックに沿って、研究課題や調査を進めるためのリソース等がまとめられています。

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米国国立衛生研究所(NIH)、NIHの助成を受けた研究成果の出版費用の上限を2026会計年度から設定すると発表

2025年7月8日、米国国立衛生研究所(NIH)が、NIHの助成を受けた研究成果の出版費用の上限を2026年会計年度から設定すると発表しました。

NIHの助成を受ける研究者が研究成果を公開する際に、出版社が請求できる金額に上限を設けるとしています。過剰な論文掲載料(APC)を抑制し、研究成果を広く一般に公開することを目的としているとあります。

NIH to crack down on excessive publisher fees for publicly funded research(NIH, 2025/7/8)
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-crack-down-excessive-publisher-fees-publicly-funded-research

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