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図書館員のスキルセットとAIのニーズ(文献紹介)

2025年8月22日付けで、Cataloging & Classification Quarterly誌にOA記事“The Librarian Skillset and the Needs of Artificial Intelligence”が掲載されました。著者は、Elsevier Discovery LabのCorey Harper氏等です。

あらゆる分野でAI関連の新たな業務が生まれている今日、図書館員の能力と密接に関連する新たなスキルの重要性が認識されるようになってきたとあります。図書館員のスキルが特に重要になってくるAI関連業務として、情報組織化、文書作成支援、社会的影響の評価、ユーザーと開発者の双方のコミュニティとの連携が含まれるとしています。記事では、米国図書館協会(ALA)が定める図書館員の能力(competency)及び図書館情報学カリキュラムと、AI分野における必要なスキルとの対応関係のマッピングが試みられています。また、責任あるAIと社会正義、データエンジニアリングと評価など、五つの対応領域における分析も行われています。

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米国公共図書館協会(PLA)、公共図書館の職員に関する調査レポートの2024年版を公開

2025年8月27日、米国公共図書館協会(PLA)が公共図書館の職員に関する調査レポートの2024年版“2024 Public Library Staff Survey”をウェブサイト上で公開しました。

同調査は、米国における公共図書館職員の待遇や役割、人種等の属性、多様な背景や能力を持つ職員等にとって居心地の良い環境づくりに向けた目標や活動等を明らかにすることを目的として、2024年秋に実施され、1,478の公共図書館から回答を得たとあります。

報告書では、2021年に実施された前回調査と比較しつつ調査の結果がまとめられています。

PLA Releases Results from the 2024 Public Library Staff Survey(ALA, 2025/8/27)
https://www.ala.org/news/2025/08/pla-releases-results-2024-public-library-staff-survey

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EveryLibrary Institute、メロン財団から60万ドルの助成金を獲得

2025年8月25日、図書館や学術機関等の発展と支援に従事する米国の非営利組織EveryLibrary Instituteは、米国のアンドリュー・W・メロン財団から60万ドルの助成金を獲得したと発表しました。

助成金は、あらゆる種類の図書館の支援、図書館における読書促進、図書館資金の確保、図書館の専門家及び職員の支援を行うための、EveryLibrary Instituteの全国的な取組の強化・拡大に用いるとしています。

Mellon Foundation Awards EveryLibrary Institute a $600,000 General Operating Support Grant(EveryLibrary Institute, 2025/8/25)
https://www.everylibraryinstitute.org/mellon2025

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生成AIによる職業のステレオタイプ化:司書はどんな人?(文献紹介)

2025年8月16日付けでJournal of Librarianship and Information Science誌に、生成AIによる職業のステレオタイプ化についての論文“What do librarians look like? Stereotyping of a profession by generative Ai”が掲載されています。著者は、オーストラリアのチャールズ・スタート大学のDirk HR Spennemann氏とKay Oddone氏です。

学校図書館、公共図書館、大学図書館という異なる館種の設定において、ChatGPTによって生成された司書の画像に、性別、民族、年齢等の偏りがあるかどうかを調査しています。

主な調査結果として、生成された司書の多くが白人として描かれており、性別は男性が多く、特に大学図書館では女性の描写はわずか6%にとどまったことや、公共・大学図書館では高齢の司書が多く描かれていたことなどを挙げています。さらに、この結果を踏まえて、図書館員という専門職における差別や不平等の固定化を避けるため、AIが生成した視覚表現を用いる際の慎重な検討の必要性を指摘しています。

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PEN America、メロン財団から140万ドルの助成金を獲得:公共図書館及び図書館員支援のため

2025年8月15日、表現の自由の保護等に取り組む米国の非営利団体PEN Americaが、メロン財団から140万ドル(約2億円)の助成金を獲得したと発表しました。

助成金は、読書の自由を擁護する活動を強化するためのもので、特に公共図書館及び図書館員への支援に重点が置かれるとあります。助成を受けてPEN Americaが新たに取り組むこととして、次のようなものが挙げられています。

・ 表現の自由の観点から見た公共図書館における教育的検閲の研究と分析
・ 図書館における禁書が表現の自由に及ぼす影響を周知するための啓発活動
・ 選書やイベントの開催等を理由に嫌がらせを受ける図書館職員に向けた、安全確保のための資料提供や研修プログラムの実施

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