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IFLA Journalの2025年10月号が刊行:図書館分野においてAIがもたらす変革を特集

2025年10月1日付けで、国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の51巻3号(2025年10月)が公開されました。人工知能(AI)がもたらす、図書館分野における変革(Artificial Intelligence (AI): Transforming Global Librarianship)を特集しています。

図書館サービス、情報リテラシー、政策、そして専門職の実践等の変革にAIがどのように関与しているか等を検証・議論する18記事が掲載されています。

Out Now: October 2025 issue of IFLA Journal – Special Issue on Artificial Intelligence (AI): Transforming Global Librarianship(IFLA、2025/9/26)
https://www.ifla.org/news/out-now-october-2025-issue-of-ifla-journal/

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生成AI時代の攻撃的なクローラートラフィックの緩和:米・ノースカロライナ大学チャペルヒル校図書館の経験(文献紹介)

オープンアクセス誌Code4Lib Journal誌のIssue 61(2025年10月21日掲載)に、“Mitigating Aggressive Crawler Traffic in the Age of Generative AI: A Collaborative Approach from the University of North Carolina at Chapel Hill Libraries”と題する記事が掲載されています。著者は米・ノースカロライナ大学チャペルヒル校図書館のソフトウェア開発責任者(Head of Software Development)であるJason Casden氏等です。

この記事は、2024年春以降、同館が、クローラー(ボット)による攻撃的なトラフィックにどのように対処したかを紹介しています。悪意のあるリクエストの進化と、それらに対して同館が講じた対処を具体的に示した上で、教訓、今後の方向性、結論をまとめています。

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米国の大学におけるAIポリシーと図書館の関与(文献紹介)

2025年9月29日付けで、図書館のリーダーシップとマネジメントに関する査読誌Journal of Library Administrationが、米国の大学におけるAIポリシーと図書館の関与についての記事“AI Policies in U.S. Universities: A Critical Analysis of Policy Gaps and Library Involvement”をオンラインで公開しています。著者は、米・南フロリダ大学のErin McCusker氏等です。

米国の各州から1校ずつ計50校の4年制大学におけるAIポリシーとリソースを批判的に検証し、北米研究図書館協会(ARL)が策定したAIに関する指針“Guiding Principles for Artificial Intelligence”との整合性を評価しています。

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独・CrossAsia、AIを用いて関連性の高い新聞記事を多言語で探索する検索サービスを試行

2025年10月7日付けの独・ベルリン州立図書館のブログ記事で、AIによって支援された検索サービス「CrossAsia ITR Newspaper Explorer」のベータ版が紹介されています。

CrossAsiaは、ドイツのアジア学に関するポータルサイトの名称で、「CrossAsia ITR Newspaper Explorer」(ベータ版)は、同サイト中の「CrossAsia LAB」のページで提供されています。

検索対象となっているアジア地域の新聞について、複数の新聞から意味的に類似する記事を表示したり、特定の記事を起点に多言語で類似のタイトルを探し出したりすることができるとあります。

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ドイツ国立図書館(DNB)等、人工知能(AI)の利用に関する共同声明を発出

2025年10月14日、ドイツ国立図書館(DNB)が、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)及びドイツ書籍商取引所組合(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)とともに、人工知能(AI)の利用に関する共同声明を発出したことを発表しました。

著作権法で認められている行為に言及しつつ、AIの支援を受けた検索ツールの開発が図書館の次の目標となっていることなど、AIの適用領域が挙げられています。

DNB AKTUELL
https://www.dnb.de/DE/Home/home_node.html
※2025年10月14日付けで、“Gemeinsame Erklärung zum Umgang mit Künstlicher Intelligenz”とあります。

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米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、AIに関して大学図書館の職員に求められる能力を示した文書“AI Competencies for Academic Library Workers”を公開

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が、AIに関して大学図書館の職員に求められる能力を示した文書“AI Competencies for Academic Library Workers”を公開しました。

この文書は、2024年7月に設立されたACRLのAI Competencies for Library Workers Task Forceが策定し、2025年10月の理事会で承認されたものです。

AI Competencies for Academic Library Workers [PDF:10ページ]
https://www.ala.org/sites/default/files/2025-10/acrl_ai_competencies.pdf

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国際STM出版社協会、AIと学術出版に関する情報をまとめたポータルサイトを公開

2025年10月7日、国際STM出版社協会(International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers:STM)が、AIと学術出版に関する情報をまとめたポータルサイトの公開を発表しました。

AIを取り巻く急速な変化に対応する出版社等を支援するため、リソースや解説、指針といった情報をまとめたものとあります。

Just launched: the STM AI Portal(STM, 2025/10/7)
https://stm-assoc.org/just-launched-the-stm-ai-portal/

AI Portal(STM)
https://stm-assoc.org/ai-trusted-research/

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アラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ラシド図書館、ドバイ国際図書館・出版サミット2025を開催:テーマは「出版業界の未来」

2025年10月30日から11月1日まで、アラブ首長国連邦ドバイのムハンマド・ビン・ラシド図書館において、ドバイ国際図書館・出版サミット2025(Dubai International Library and Publishing Summit 2025)が開催されます。

ドバイ政府の公式メディアの発表によると、今回のサミットは「出版業界の未来」(The Future of Publishing Industry)をテーマとして開催されます。4か国から80人以上の講演者が参加し、DX(デジタルトランスフォーメーション)、ナレッジマネジメントにおける人工知能(AI)、グローバルな連携等に焦点を当てた議論が行われるとしています。

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フィンランド国立図書館等によるタスクフォース、AI時代に適した著作権情報の管理の仕組みについて検討した最初の報告書を公表

2025年10月6日、フィンランド国立図書館は、同館が参加しているタスクフォースCopyright Infrastructure Task Force(CITF)が初となる報告書“Interoperable, trustworthy, and machine-readable copyright data in the AI era”を公表したことを発表しました。

CITFは著作権情報(copyright data)の相互運用性、信頼性、機械可読性の向上を目的として、フィンランド、ラトビア、エストニア等の機関が共同で進めているものです。

今回公開された報告書では、AI時代に適した著作権情報の管理の仕組みを検討する上で、将来的に求められる技術的要件を明らかにするため、博士論文、学術論文、電子書籍、写真、雑誌記事の五つのユースケースが分析されたとあります。

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近畿大学中央図書館、アバターによるレファレンスサービスを開始

2025年10月7日、近畿大学中央図書館(大阪府東大阪市)が、アバターによるレファレンスサービスを開始すると発表しました。

図書館受付に設置したディスプレイに表示されるアバターを図書館員が遠隔操作し、利用者からの質問に応対します。対面では相談しづらいと感じる利用者の心理的なハードルが下がることが期待されるほか、多言語対応やテロップ表示による視覚的な支援により外国人学生や体の不自由な人へのアクセシビリティが向上したり、図書館員の在宅勤務の拡充などの働き方改革に資するなどとされています。

また、将来的には、AI技術を活用した24時間対応や、職員による遠隔操作なしでアバター自身が資料検索のナビゲーションをすることなども視野に入れていると述べられています。

アバターによるレファレンスサービスの開始について(近畿大学中央図書館, 2025/10/7)
https://www.clib.kindai.ac.jp/news/2025/1007-post_195.html

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【イベント】国文研DDHプロジェクト第1回国際研究集会「古典テキストの最前線―夢の書庫を開く―」(12/11・東京都、オンライン)

2025年12月11日、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館(国文研)が、国文研DDHプロジェクト(データ駆動による課題解決型人文学の創成プロジェクト)第1回国際研究集会「古典テキストの最前線―夢の書庫を開く―」を、国文研(東京都立川市)での会場参集とオンライン配信で開催します。

参加費は無料ですが、会場参加の場合は事前の申込みが必要です。主なプログラムは次のとおりです。

・ 国文研DDHプロジェクト現状報告
 入口敦志氏(国文学研究資料館副館長)
・ ライトニングトーク、ポスターセッション
・ 基調講演
 黒橋禎夫氏(国立情報学研究所所長/京都大学特定教授)
・ パネルディスカッション
 司会:菊池信彦氏(国文研准教授)
 パネリスト:小木曽智信氏(国立国語研究所教授)、カラーヌワット タリン氏(Sakana AIリサーチサイエンティスト)、相澤彰子氏(国立情報学研究所教授)

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国立国会図書館(NDL)、国立情報学研究所(NII)における大規模言語モデル構築を目的とした、官庁出版物の全文テキストデータ提供について合意

2025年10月1日、国立国会図書館(NDL)は、官庁出版物のデジタル化画像から光学文字認識(OCR)技術により作成した約30万点分の全文テキストデータの提供について、9月5日に国立情報学研究所(NII)と合意したことを発表しました。

今回の合意に基づき提供した官庁出版物の全文テキストデータ(主に1995年までに刊行された図書のほか、雑誌、官報を含め、合計約30万点分)は、NIIにおける大規模言語モデル(LLM)の構築を目的とした、LLMの学習用データとして利用される予定です。

なお、本件はNDLとNIIの間で締結した「国立国会図書館及び学術情報センターの相互協力に関する協定」に基づく協力の一つです。

国立情報学研究所における大規模言語モデル構築への協力について(NDL, 2025/10/1)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2025/251001_01.html

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【イベント】INFOPRO 2025:第22回情報プロフェッショナルシンポジウム(12/4-5・東京都、オンライン)

2025年12月4日と5日、一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)が、「INFOPRO 2025(第22回情報プロフェッショナルシンポジウム)」を科学技術振興機構(東京都千代田区)での会場参集とオンライン配信により開催します。

企業・大学・図書館のインフォプロ(Information Professional、情報専門家)のためのシンポジウムとあります。今年のメインテーマは「AIと共に創る新しい世界」です。

一般口頭発表、落合陽一氏(筑波大学図書館情報メディア系准教授/デジタルネイチャー開発研究センター長)による特別講演等が予定されているほか、特別セッションとして、INFOSTA創立75周年記念式典が開催されます。

参加費は無料で、事前申込みが必要です。

INFOPRO 2025(第22回情報プロフェッショナルシンポジウム)
https://www.info-pro.org/

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オランダ国立図書館(KB)、オランダ語の言語モデルの開発に取り組むプロジェクトGPT-NLに協力

2025年7月11日、オランダ国立図書館(KB)がオランダ語の言語モデルの開発に取り組むプロジェクトGPT-NLに協力すると発表しました。

GPT-NLは、オランダ応用科学研究機構(TNO)、オランダ高等教育・研究機関による共同組織SURF、オランダ国立法科学研究所(NFI)の共同で、2023年に立ち上げられたプロジェクトです。合法的に取得されたデータのみを使用し、オランダ語及びオランダ文化に特化した倫理的かつ責任あるAI言語モデルの開発を目指しているとあります。

KBは同館コレクションからロイヤリティフリー(royalty-free)のテキストデータを提供することで、モデルの開発に貢献するとしています。

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内閣府総合科学技術・イノベーション会議基本計画専門調査会(第9回)の配布資料が公開:「第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の論点(案)」

2025年9月18日に開催された内閣府総合科学技術・イノベーション会議基本計画専門調査会(第9回)の配布資料が、内閣府のウェブサイトに掲載されています。

配布資料として、「第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の論点(案)」が公開されています。

基本計画専門調査会(第9回)議事次第(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon7/9kai/9kai.html

第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の論点(案) [PDF:12ページ]
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon7/9kai/shiryo1.pdf

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京都大学、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社と最先端のAI活用を軸とした包括連携協定を締結

2025年9月24日、京都大学が、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社と最先端の人工知能(AI)活用を軸とした包括連携協定を締結したことを発表しました。

同協定は、「研究力強化と社会実装の加速」、「次世代人材の育成」、「大学DXの推進」を柱として、Google Cloudの先進的なAI技術を活用し、同大学の学生・教職員に対する支援環境構築を行うもので、教育・研究活動の高度化を最大化させ、新しい大学のあり方を創造するとしています。

具体的な取組として、次のものを挙げています。

・大学DX:新しい学びと研究のプラットフォームの構築
・研究力強化:AIが拓く、研究の新たなフロンティアの開拓
・人材育成:未来を創るデジタル人材の育成

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社とAIの活用を核に大学DXの実現に向けた包括連携協定を締結しました(京都大学, 2025/09/24)
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2025-09-24-0

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米・EDUCAUSE、生成AIを活用した教育に関するスキルやリテラシーの向上のための行動計画“2025 EDUCAUSE Horizon Action Plan”を公開

2025年9月29日、高等教育に関する米国の非営利団体EDUCAUSEが、生成AIを活用した教育に関するスキルとリテラシーの向上のための行動計画“2025 EDUCAUSE Horizon Action Plan: Building Skills and Literacy for Teaching with GenAI”を公開しました。

高等教育が生成AIの大きな影響を受けていることを受け、EDUCAUSEでは専門家を招集し、高等教育における生成AIの望ましい未来像を描き、その未来へ至るための行動計画を策定したとしています。

行動計画の策定に当たっては、10年という時間軸に焦点を当て、現在のトレンド、技術、実践がどのように結実し、より良い未来をもたらすかが議論されました。行動計画では、望ましい未来像実現のための目標のほか、個人、部署・部門、部門間協力、機関間協力に向けた実践的な提言などが示されています。

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北米研究図書館協会(ARL)と米・ネットワーク情報連合(CNI)、AIの影響を踏まえた計画策定を支援するための研究図書館向けツールキット“Futurescape Libraries AI Toolkit”を公開

2025年9月22日、北米研究図書館協会(ARL)と米・ネットワーク情報連合(CNI)が、AIの影響を踏まえた計画策定を支援するための研究図書館向けツールキット“Futurescape Libraries AI Toolkit”を公開しました。

ARLとCNIが2024年に公開した、将来の研究環境にAIがもたらす影響に関するシナリオ等を示した“ARL/CNI AI Scenarios”を図書館における計画策定に活用するためのツールキットとあります。

ARL/CNI Futurescape Libraries AI Toolkit Can Help You Thrive in the AI Landscape(ARL, 2025/9/22)
https://www.arl.org/news/arl-cni-futurescape-libraries-ai-toolkit-can-help-you-thrive-in-the-ai-landscape/

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AI時代の査読:リスク、利点そして責任(記事紹介)

学術情報流通に関連した話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)が運営するブログ“The Scholarly Kitchen”に、2025年9月17日付けで、ブログ記事“Peer Review in the Era of AI: Risks, Rewards, and Responsibilities”が掲載されています。著者は、Wiley Partner Solutions社のHong Zhou氏です。

品質チェックから研究不正の検知、論文と査読者のマッチングに至るまで、人工知能(AI)は査読へのアプローチを大きく変えようとしているとあります。記事では、査読プロセスにおけるAIの進歩について触れつつ、AIの限界やAIを採用する際のリスクなどを取り上げています。現時点ではAIをスマートアシスタントとして捉えるのが最も適切であるとし、AIの実装に当たっての編集者やジャーナルのための推奨事項が示されています。

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【イベント】第1回J-STAGEセミナー(JST-STMジョイントセミナー)「学術情報流通のワークフローにおける生成AI活用の展望:学術ジャーナルの改善に資する生成系AIの活用」(11/4・オンライン)

2025年11月4日、第1回J-STAGEセミナー(JST-STMジョイントセミナー)「学術情報流通のワークフローにおける生成AI活用の展望:学術ジャーナルの改善に資する生成系AIの活用」が、オンラインで開催されます。

AIに関する出版社のポリシーやガイドラインなどの整備状況や、学術情報流通における活用事例等について紹介するとあります。主なプログラム(予定)は次のとおりで、英日同時通訳が付きます。

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