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米・コロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所、著作権局長の解任措置の一時差止めを命令

2025年9月10日、米・コロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所は、著作権局長・パールムッター(Shira Perlmutter)氏の職務遂行を、さらなる裁判所の命令が出るまで妨げないよう、大統領府関係者等に命じました。

2025年5月10日に、ホワイトハウス人事局(White House Presidential Personnel Office)からパームルッター氏に対し即時解任を通告するメールが送られたことを受け、同氏は、自身の解任は違法であり、著作権局長を解任できるのは米国議会図書館長(the Librarian of Congress)のみであると主張し、連邦地方裁判所に提訴しました。併せて、差止め命令等の仮処分を申し立てていましたが、却下されました。これを受け、同氏側は控訴裁判所に緊急申立てを行っていました。

控訴裁判所の3人の判事のうち、今回の命令に賛成した2人の判事は、著作権局長の解任権は米国議会図書館長が持つものと考えられ、パールムッター氏の解任は違法である可能性があるとしています。

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フィンランド国立図書館等によるタスクフォース、AI時代に適した著作権情報の管理の仕組みについて検討した最初の報告書を公表

2025年10月6日、フィンランド国立図書館は、同館が参加しているタスクフォースCopyright Infrastructure Task Force(CITF)が初となる報告書“Interoperable, trustworthy, and machine-readable copyright data in the AI era”を公表したことを発表しました。

CITFは著作権情報(copyright data)の相互運用性、信頼性、機械可読性の向上を目的として、フィンランド、ラトビア、エストニア等の機関が共同で進めているものです。

今回公開された報告書では、AI時代に適した著作権情報の管理の仕組みを検討する上で、将来的に求められる技術的要件を明らかにするため、博士論文、学術論文、電子書籍、写真、雑誌記事の五つのユースケースが分析されたとあります。

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HathiTrust、リソース共有プロジェクトのパイロットを開始:著作権で保護された資料への合法的なアクセス手段の拡大に向けたプロジェクト

2025年9月25日、米国の大学図書館等による共同リポジトリ事業であるHathiTrustが、リソース共有プロジェクト(Resource Sharing project)のパイロットを開始したと発表しました。

著作権で保護された資料への合法的なアクセスの拡大を目指すものとあります。Hathi Trustに収録されているデジタル資料のうち著作権で保護されたコンテンツについて、パイロット参加館が所蔵する紙資料と同一のものがある場合に、参加館は章、記事、または抜粋部分のスキャンデータを取得することができるとあります。このサービスにより、パイロット参加館はより迅速かつ効率的に図書館間貸出し(ILL)やドキュメントデリバリーのリクエストに応えることができるとしています。

現時点ではパイロットに参加している9機関のみがサービスを利用することができますが、2026年初頭には全HathiTrust参加館に段階的に展開される予定とあります。

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ボットによる書籍:図書館員はAIが生成した資料の扱いに苦慮している(記事紹介)

米国図書館協会(ALA)が刊行するAmerican Libraries誌の2025年9月/10月号において、AIが生成した書籍と図書館に関する記事“Books by Bots: Librarians grapple with AI-generated material in collections”が掲載されています。著者は、American Libraries誌のフリーランスライターでChicago Review of Books誌の編集者でもあるReema Saleh氏です。

記事では、近年増えているとされるAIが生成した書籍について、米国の図書館員の経験談を紹介しつつ、AIと著作権、図書館における選書や蔵書構築における問題点、AI生成書籍の見分け方等を取り上げています。

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