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今日 — 2025年9月20日カレントアウェアネス・ポータル - カレントアウェアネス-R

スウェーデン政府の2026年度予算案に、スウェーデン国立図書館(NLS)における人工知能(AI)の開発費が盛り込まれる

2025年9月10日、スウェーデン政府及びスウェーデン国立図書館(NLS)は、政府の2026年度予算案に、NLSにおける人工知能(AI)の開発費が盛り込まれていることを発表しました。

スウェーデン政府は、2026年度予算案においてAIの開発に大規模な投資を行うことを発表し、2026年度から2028年度までの支出計画を示しました。そのうち、NLSには、スウェーデン語の言語モデル開発のために、図書館資料を用いたAIの学習に必要なストレージの拡大と計算能力の向上を行うための費用として、各年度3,000万スウェーデンクローナ(約4億7,300万円)の支出が計画されているとしています。

また、スウェーデンの国税庁と社会保険庁が進める公共部門向けAIワークショップ事業にNLSが参加するために、各年度1,000万スウェーデンクローナが充てられるとしています。この事業は、公共機関がAIソリューションを安全に開発し、共有できる機会を提供することを目的としています。

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北米研究図書館協会(ARL)、加盟図書館員の給与調査レポートの2024年版を刊行

2025年9月17日、北米研究図書館協会(ARL)が加盟図書館員の給与調査レポートの2024年版“ARL Annual Salary Survey 2024”の刊行を発表しました。

118館の大学図書館に勤務する1万1,256人と、5館の大学以外の研究図書館に勤務する2,040人のデータを分析対象としています。大学図書館のデータは、総合図書館・健康科学図書館・法律図書館に分けて報告されています。

大学図書館に所属する9,567人の専門職について分析を行い、役職別に平均職歴と平均年収が紹介されています。

・経営幹部の平均職歴は22年、平均年収は17万7,800ドル(約2,600万円)
・上級管理職の平均職歴は18年、平均年収は11万2,600ドル(約1,700万円)
・管理職の平均職歴は15年、平均年収は9万1,400ドル(約1,300万円)
・その他の専門職の平均職歴は13年、平均年収は8万2,300ドル(約1,200万円)

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インド・文化省、写本の保存・デジタル化・普及に向けた国家的イニシアティブ“Gyan Bharatam”を開始

2025年9月13日、インドの文化省(Ministry of Culture)が同国の写本の保存、デジタル化、普及に向けた国家的イニシアティブ“Gyan Bharatam”を開始したことを発表しました。

9月11日から13日までニューデリーで開催された同省主催の国際会議“Gyan Bharatam International Conference”において、正式な立ち上げが行われたものです。イニシアティブの主な目標としては、1,000万点以上の写本の目録作成とデジタル化、写本の国家的デジタルリポジトリの開設、翻刻等におけるAIや光学文字認識(OCR)、ブロックチェーン技術の活用が挙げられています。

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インドネシア国立図書館による法定納本に係る取組(記事紹介)

2025年9月15日付けで、インドネシア国立図書館による法定納本に係る取組を紹介する記事が、国際図書館連盟(IFLA)のウェブサイトに掲載されています。

インドネシアでは、印刷物及び録音物の納本に関する法律(2018年法律第13号)に基づき、出版者及び録音物の制作者は、印刷物1タイトルにつき2部、録音物1タイトルにつき1部をインドネシア国立図書館に納本することが義務付けられており、2025年現在、同館が収集した総数は、印刷物221万5,457部、録音物141万7,647部に上るとされます。

その一方で、多くの出版者等の間では納本制度が十分に認知されていない現状があり、インドネシア各州において関係者向けのアウトリーチ活動を行ったり、納本義務を継続的かつ適切に果たしている出版者等を表彰したりといった取組を同館が行っていることが紹介されています。

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台湾・文化部、第1回台湾国際児少書展を台中市で開催

2025年9月18日から21日まで、台湾・文化部の主催により、児童・青少年をテーマとした国際ブックフェアとして第1回台湾国際児少書展が台中市で開催されています。

文化部によると、初回となる今年度のテーマは「跨越城市.閲讀無界(Crossing Cities, Reading without Borders)」です。イタリア、フランス、日本等から作家、イラストレーター、出版関係者等が来台し、講座やワークショップを含む、200以上のイベントが開催されるとしています。

2025第1屆臺灣國際兒少書展即將開展 邀您跨越城市邊界 體驗閲讀樂趣(文化部, 2025/9/17)
https://www.moc.gov.tw/News_Content.aspx?n=105&s=243335

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鹿児島県立図書館、椋鳩十生誕120周年第一期企画展「図書館長 椋鳩十」を開催中

2025年9月18日から10月23日まで、鹿児島県立図書館(鹿児島市)において、椋鳩十生誕120周年第一期企画展「図書館長 椋鳩十」が開催されています。

児童文学作家である椋鳩十(本名:久保田彦穂、1905-1987)は、長きにわたって鹿児島県立図書館長を務めました。同館では、同企画展を含む、椋鳩十生誕120周年記念事業を実施しています。

企画展の第一期として、主に鹿児島県立図書館長時代に焦点を当てた「図書館長 椋鳩十」が開催されています。12月9日から2026年1月14日までは、第二期として、児童文学作家としての椋鳩十に焦点を当てた展示が予定されています。

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小川未明文学館、開館20周年記念特別展「小川未明 童話にささげた生涯」を開催

2025年10月4日から12月14日まで、小川未明文学館(新潟県上越市)において、小川未明文学館開館20周年記念特別展「小川未明 童話にささげた生涯」が開催されます。

展示では、小川未明(1882-1961)の自筆原稿や書籍、当時の写真、愛用品などが展示されるほか、「日本近代童話の父」といわれる未明の生涯について童話作品を中心に紹介されます。

関連イベントとして、小埜裕二氏(上越教育大学教授・小川未明文学館専門指導員)による講座「小川未明 1920年代の激動と豊饒」なども開催されます。

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一昨日以前カレントアウェアネス・ポータル - カレントアウェアネス-R

生駒市図書館、本館のリニューアルに向けたクロージングイベント及び工事期間中のイベント等を発表:本館の本借り放題など

2025年9月17日、生駒市図書館(奈良県)が、本館のリニューアルに向けたクロージングイベント及び工事期間中のイベントに関するお知らせをウェブサイトに掲載しました。

生駒市図書館本館は、リニューアル工事のため、2025年11月4日から2026年4月6日まで休館します。これに当たり、工事開始までのクロージングイベントの一環として、本館の本が冊数の上限なしで2026年5月27日(予定)まで借りられるとあります(貸出手続は2025年11月1日~3日)。

工事期間中は、本館が入居する図書会館1階ロビーで本の貸出し等が行われるほか、閉架書庫の見学が実施されます。また、最近読んだ本や読みたい本などについて手紙を送ると図書館司書が返事の中でおすすめの本などを紹介してくれるサービスも行われます。

生駒市図書館 図書館からのお知らせ
https://lib.city.ikoma.lg.jp/TOSHOW/asp/index.aspx
※2025年9月17日付けで「生駒市図書館本館リニューアルに向けたクロージングイベント&工事期間中のイベントのおしらせ」とあります。

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ユネスコ、ウクライナで508の文化財が損壊と発表:18の図書館、34の博物館を含む

2025年8月18日、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が、ウクライナで508の文化財が損壊されたと発表しました。

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻以降の文化財の被害状況に関する、2025年8月6日現在の調査結果です。内訳は、宗教施設151か所、歴史的・芸術的価値のある建物268か所、博物館34館、モニュメント33か所、図書館18館、公文書館1館、遺跡3か所です。

ウェブサイトでは、損壊した文化財が地域別に報告されています。

Damaged cultural sites in Ukraine verified by UNESCO(UNESCO, 2025/8/18)
https://www.unesco.org/en/articles/damaged-cultural-sites-ukraine-verified-unesco

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東京都立図書館、資料保存の研修動画4件を「資料保存のページ」で公開

2025年9月18日、東京都立図書館が資料保存の研修動画を新たに作成し、同館ウェブサイトの「資料保存のページ」で公開したことを発表しました。

今回、公開されたのは「図書館資料の保存 基本的な考え方と手法(29分)」「図書館資料の修理 基本的な考え方と手法(25分)」「図書館資料の修理 実習(13分)」「図書館の資料防災(21分)」の4件です。

資料保存の研修動画を公開しました。(東京都立図書館, 2025/9/18)
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/guide/information/7329_20250918.html

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【イベント】第75回長野県図書館大会兼第33回北信越地区学校図書館研究大会(11/7-8・長野県)

2025年11月7日と8日、第75回長野県図書館大会兼第33回北信越地区学校図書館研究大会が、佐久平交流センター(長野県佐久市)をメイン会場として開催されます。

大会テーマは「豊かな学びを支える図書館 ~よりよい未来の創造に向けて~」です。7日には、実践活動公開、研究発表、全国学校図書館協議会(全国SLA)報告等、8日には分科会、作家の石井睦美氏による講演会「本を読む・物語を生きる」等が予定されています。

参加には事前の申込みが必要です。

長野県図書館協会
https://www.nagano-la.com/
※9月9日付けで「第75回長野県図書館大会兼第33回北信越地区学校図書館研究大会」について掲載されています。

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学術出版物のオープンサイエンスに関する実践状況と被引用数との関係性:フランスを対象とした研究(文献紹介)

2025年8月28日付けでプレプリントサーバーarXivに、フランスで発表された学術出版物を対象として、オープンサイエンスに関する実践状況と被引用数との関係性を分析した論文“An analysis of the effects of open science indicators on citations in the French Open Science Monitor”が掲載されています。著者は、デンマーク・コペンハーゲン大学のGiovanni Colavizza氏等です。

フランスの研究者が2020年から2022年にかけて発表した論文等の学術出版物約58万件を対象として、プレプリントの公開、研究データの共有といったオープンサイエンスの実践状況と被引用数との相関関係が分析されたとあります。主な結果として、オープンサイエンスの実践状況と被引用数との間には正の相関関係が認められたこと等が示されています。

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総務省、「社会課題の解決に向けたメタバース導入の手引き」を公表

2025年9月17日、総務省が、「社会課題の解決に向けたメタバース導入の手引き」を公表しました。

メタバースの導入を検討する企業や自治体等に向けて作成された手引きです。総務省が2023(令和5)年10月から開催してきた「安心・安全なメタバースの実現に関する研究会」における議論や知見を踏まえ、導入に成功し事業に役立てている企業や自治体等へのヒアリング調査結果をもとに、実例に沿って導入に係るポイント等を盛り込んだとあります。

「社会課題の解決に向けたメタバース導入の手引き」の公表(総務省, 2025/9/17)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu20_02000001_00017.html

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東京国立近代美術館、「中高生プログラム 自分をちょっとはみ出ると… 」を開催(全8回)

2025年10月から2026年4月にかけて、東京国立近代美術館(東京都千代田区)が、「中高生プログラム 自分をちょっとはみ出ると… 」(全8回)を開催します。

同館所蔵作品や様々なジャンルのアーティスト・専門家との出会いなどを通じて、美術への理解を深め、美術のいろいろな魅力に触れるほか、プログラムの後半では、小学生に美術の楽しさを伝える「ビジュツ発見隊」を自分たちで企画し、案内役を担うことも予定されています。

これからの未来を担う中高生に美術や美術館の魅力を知ってもらい、美術をきっかけに自己や他者に目を向ける機会を提供するとあります。

【募集中】「中高生プログラム 自分をちょっとはみ出ると… 」参加者募集(応募締切:9月30日)(東京国立近代美術館, 2025/9/12)
https://www.momat.go.jp/topics/20250912

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Europeana Foundation、新たな世界的イニシアチブ「DTI」(Digitise. Transform. Inspire)への参加を発表

2025年9月9日、Europeana Foundationは、欧州のアーカイブズ機関の国際的なネットワーク組織であるICARUS(International Centre for Archival Research)が調整を行っている新たな世界的イニシアチブ「DTI」(Digitise. Transform. Inspire)に参加したことを発表しました。

DTIは、2025年9月1~2日にウィーンで開催された会議「DTI: Shaping the Archives of Tomorrow conference」で発足が発表された、アーカイブズのDX(デジタルトランスフォーメーション)を強化し加速させるためのイニシアチブです。Europeana Foundationは、DTIのメンバーとして、専門知識の提供、DTIの活動と欧州のデジタル化フレームワークとの整合性に関する支援、コミュニティーや機関の橋渡し、Europeanaの広範なネットワークと世界中のパートナーとの連携を行うとしています。

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米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)、リソース共有ソフトウェアの評価基準を公開

米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)が、図書館間相互貸借(ILL)を行うためのリソース共有ソフトウェアの評価基準を示す報告書「Evaluation Criteria for Resource Sharing Software」を2025年9月付けで公開しました。

BLCは、図書館コレクションへのアクセスを最大化させる手段として、印刷物及びデジタルコンテンツの共有を活動の基盤としてきました。同報告書では、図書館やコンソーシアムがリソース共有ソフトウェアの機能を評価するための基準を、アクセシビリティ、リクエスト管理、ワークフローのカスタマイズ、統計及びレポート、ユーザー認証と承認、システム統合、業者サポートの7つの分類で示しています。

Evaluating Resource Sharing Software(BLC)
https://blc.org/evaluating-resource-sharing-software

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英国物理学会出版局(IOP Publishing)、生成AIと査読に関する研究者の意識を調査した報告書を公表

2025年9月10日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)が、生成AIと査読に関する研究者の意識を調査した報告書“AI and Peer Review 2025 – Insights from the global reviewer”をウェブサイト上で公表しました。

同出版局が2024年に公表した、査読に関する調査報告書“State of peer review 2024”に続くものです。今回の調査では、物理学分野の研究者が査読におけるAIの活用をどのように捉えているか、2024年の調査で見られた傾向がどのように変化したのか等が検証されたとあります。

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全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)、「テキストデイジー・マルチメディアデイジーデータ再生機器・ソフトウェアに関する調査結果(2025)」を公開

2025年9月2日、特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)の電子書籍委員会が、「テキストデイジー・マルチメディアデイジーデータ再生機器・ソフトウェアに関する調査結果(2025)」の公開を発表しました。

同委員会が、テキストデイジー再生機器・ソフトウェアを取り扱っている企業・法人を対象として、2025年度に実施したアンケート調査の結果と、委員による検証結果等をまとめたものです。Word版が全視情協のウェブサイトからダウンロード可能です。

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ドイツ図書館協会とドイツ書籍商取引所組合、読書支援に活発に取り組んでいる保育施設を認証

2025年9月9日、ドイツ図書館協会(DBV)とドイツ書籍商取引所組合(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)が、「Buchkita」に関するプレスリリースを発表しました。

Buchkitaは、総合的な保育施設(Kindertagesstätte:Kita)のうち読書支援等に活発に取り組んでいる施設に付与される認証です。2025年は290の施設から申請があり、そのうちの84施設を認証することとしたことを明らかにしました。この認証付与の取組は2019年から行われています。

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