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Elsevier社、オープンアクセス出版における地理的価格設定の対象となるジャーナルを拡大

2025年10月22日、Elsevier社が、低・中所得国向けにオープンアクセス(OA)出版の論文掲載費用(APC)を低く設定する、地理的価格設定(Geographical Pricing for Open Access:GPOA)の対象となるジャーナルを拡大すると発表しました。

2024年に実施されたパイロットプログラムの成功を受けたもので、新たにゴールドOAの150誌が追加され、計約300誌が対象となるとあります。発表によると、GPOAのパイロットプログラムの開始以来、100か国以上の低・中所得国の著者による1万9,000件以上の論文が、対象のジャーナルに掲載されたとあります。

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一般社団法人デジタル出版者連盟(電書連)、「電書連 EPUB 3 制作ガイド ver.1.1.4」を公開

2025年10月24日、一般社団法人デジタル出版者連盟(電書連)が「電書連 EPUB 3 制作ガイド ver.1.1.4」の公開を発表しました。

電書連加盟社のために、EPUB 3の制作の方向を示す目的で作成されたものです。EPUB 3.3の公開、また、日本電子書籍出版社協会(電書協)が電書連となったことを受け、ガイド内容を再検討した結果が反映されているとあります。

お知らせ(電書連)
https://dpfj.or.jp/information
※2025年10月24日付けで「EPUB 3.3対応へのバージョンアップ「電書連 EPUB 3 制作ガイド ver.1.1.4」を公開します」とあります。

電書連 EPUB 3 制作ガイド(電書連)
https://dpfj.or.jp/counsel/guide

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広島大学図書館、溪水社刊行の書籍62冊を電子化し、リポジトリ上で公開

2025年10月21日、広島大学図書館が溪水社刊行の書籍を電子化し、同大学の学術情報リポジトリ上で公開したと発表しました。

発表によると、溪水社から刊行された紙の書籍のうち、同大学の教員・研究者等が執筆し、現在は絶版等で入手が難しくなっている書籍62冊が電子化されました。同大学では、2024年度に文部科学省の「オープンアクセス加速化事業」に採択されたことを受け、研究成果を社会に発信する体制を全学的に強化しており、本取組もその一環とあります。

溪水社書籍62冊を電子化・公開しました(広島大学図書館, 2025/10/21)
https://www.hiroshima-u.ac.jp/library/news/93521

参考:
早稲田大学図書館、大学の研究成果が収められた学術書をリポジトリでオープンアクセス化するプロジェクトを開始 [2025年04月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/251217

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【イベント】電流協アワード2025受賞記念セミナー「「Books」が開く出版情報新時代」(11/19・東京都、オンライン)

2025年11月19日、電流協アワード2025受賞記念セミナー「「Books」が開く出版情報新時代」が、対面(東京都千代田区JCIIビル)とオンラインのハイブリッド形式で開催されます。

電流協アワード2025特別賞を受賞した出版書誌データベース「Books」は、どのような背景から生み出され、いかに成長し、何を目指してきたのか等について、関係者から話を聴くとあります。主なプログラムは次のとおりです。

第1部:「Books」の過去・現在・未来
1.「Books」の現在位置
  解説:渡辺政信氏(一般社団法人日本出版インフラセンター 専務理事)
2. 書誌情報収集・提供の草創期の困難
  解説:樋口清一氏(一般社団法人日本書籍出版協会 専務理事)
3. JPROの成立前後史と当時の出版業界の課題
  解説:永井祥一氏(一般社団法人日本出版インフラセンター 元専務理事)
4. 誰もが求めるデータベースへの成長
  解説:田中敏隆氏(一般社団法人日本出版インフラセンター出版情報登録センター管理委員会委員長 小学館監査役)

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【イベント】本の学校出版シンポジウム2025 in 東京 [地域×世界]で拡張する<本>の現在地(10/26・東京都、オンライン)

2025年10月26日、NPO法人本の学校の主催により、「本の学校出版シンポジウム2025 in 東京 [地域×世界]で拡張する<本>の現在地」が専修大学神田キャンパス(東京都千代田区)における現地参加とオンラインにより開催されます。

「本の学校」は、1995年に設立されて以降、出版業界に携わる人に向けた研修や講座等を開催し、2012年にNPO法人となりました。設立から30年が経ち、シンポジウムでは、地域と世界で<グローカル>に拡張する本の現在地を考えるとしています。

主なプログラムは次のとおりです。

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ケンブリッジ大学出版局(CUP)、学術出版のオープンアクセスへの移行を巡る課題に焦点を当てたレポートを公開

2025年10月16日、ケンブリッジ大学出版局(CUP)が学術出版のオープンアクセス(OA)への移行を巡る課題に焦点を当てたレポート“Publishing futures: Working together to deliver radical change in academic publishing”を公開しました。

120か国から3,000以上の研究者、出版関係者、研究資金提供者、図書館員を対象として実施されたオンライン調査から得られた知見に基づくものとあります。レポートでは、今日の学術出版が抱える課題として、「出版数の増大による負荷」「財政的持続可能性」「公平性の欠如」「質より量を重視する研究評価制度」の四点を挙げ、持続可能かつオープンで公平な学術出版の将来に向けた提言が示されています。

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【イベント】研究・イノベーション学会第40回年次学術大会企画セッション「学術書のオープンアクセスについて考える」(11/6・オンライン)

2025年11月6日、研究・イノベーション学会第40回年次学術大会企画セッション「学術書のオープンアクセスについて考える」がオンラインで開催されます。

欧米のオープンアクセス(OA)政策の最新動向を紹介するとともに、日本における学術書籍のOA化の現状と課題を整理し、さらに、研究者・出版社・図書館等の関係者がどのように連携し、持続可能なOAモデルを構築できるかについて議論を深めるとあります。

参加には事前の申込みが必要です。司会及び登壇者は次のとおりです。

・司会
 原田隆氏(東京科学大学 情報理工学院 リサーチ・アドミニストレーター(主任URA))

・登壇者
 天野絵里子氏(京都大学総合研究推進本部 リサーチ・アドミニストレーター(上席)/紀要編集者ネットワーク)
 標葉隆馬氏(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 准教授)
 飯澤正登実氏(合同会社Liberality やまなみ書房)
 髙橋愛典氏(近畿大学経営学部 教授/研究・イノベーション学会 大学経営研究懇談会)

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Open Book Collective、書籍のオープンアクセス出版のための共同資金調達モデルにおける図書館員の経験と参加障壁に関する報告書を公開

2025年10月13日、オープンアクセス(OA)書籍に関わる出版社、図書館員等から成る英国の非営利団体Open Book Collectiveが、書籍のOA出版のための共同資金調達モデルにおける図書館員の経験と参加障壁に関する報告書を公開しました。

報告書は、欧州6か国(フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、ポーランド、スウェーデン)の図書館員を中心に、一部出版社、OAの専門家も対象として行ったインタビューを基にしており、共同資金調達モデルに関する既存の研究や各国のOA出版の現状についてもまとめています。

終章では、共同資金調達モデルの推進に向け、透明性のある資金調達や運営を通じた信頼性の構築、各国のコンソーシアムを通じた図書館の参加を可能にすること、地域・言語・主題面での多様な出版、自国語で出版活動を行う地域の出版社との連携など8項目が提言されています。

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国際STM出版社協会、AIと学術出版に関する情報をまとめたポータルサイトを公開

2025年10月7日、国際STM出版社協会(International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers:STM)が、AIと学術出版に関する情報をまとめたポータルサイトの公開を発表しました。

AIを取り巻く急速な変化に対応する出版社等を支援するため、リソースや解説、指針といった情報をまとめたものとあります。

Just launched: the STM AI Portal(STM, 2025/10/7)
https://stm-assoc.org/just-launched-the-stm-ai-portal/

AI Portal(STM)
https://stm-assoc.org/ai-trusted-research/

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米ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)、新たなオープンアクセス方針を発表

2025年9月24日付けで、米国の医学研究機関ハワード・ヒューズ医学研究所(Howard Hughes Medical Institute:HHMI)が、HHMIの研究者を対象とした新たなオープンアクセス(OA)方針“Immediate Access to Research Policy”を発表しました。

現行のOA方針である“Open Access to Publications Policy”に代わるものです。新方針では、HHMIの研究者に対し、自身が筆頭著者、最終著者又は責任著者として執筆した研究論文をプレプリントとして公開するよう義務付けること等が示されています。2026年1月1日から適用が開始されるとあります。

Publishing and Sharing(HHMI)
https://www.hhmi.org/about/policies/publishing-sharing
※Documentsの項目に“HHMI Immediate Access to Research Policy (effective January 1, 2026)”が掲載されています。

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アラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ラシド図書館、ドバイ国際図書館・出版サミット2025を開催:テーマは「出版業界の未来」

2025年10月30日から11月1日まで、アラブ首長国連邦ドバイのムハンマド・ビン・ラシド図書館において、ドバイ国際図書館・出版サミット2025(Dubai International Library and Publishing Summit 2025)が開催されます。

ドバイ政府の公式メディアの発表によると、今回のサミットは「出版業界の未来」(The Future of Publishing Industry)をテーマとして開催されます。4か国から80人以上の講演者が参加し、DX(デジタルトランスフォーメーション)、ナレッジマネジメントにおける人工知能(AI)、グローバルな連携等に焦点を当てた議論が行われるとしています。

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EBSCO社、2026年の学術雑誌価格上昇の予測値を発表:個別タイトルは4%から7%、パッケージは3%から4%

2025年10月8日、EBSCO社が“2026 Serials Price Projection Report”を発表し、2026年の図書館向け学術雑誌の価格上昇の予測値を公表しています。

レポートでは、外国為替レートを考慮しない場合、電子雑誌は個別タイトルでは4%から7%の上昇、パッケージでは3%から4%の上昇、紙媒体の雑誌では5%から8%の上昇になると予測されています。

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立正大学品川図書館、企画展「知を刻む:版元が紡いだ書物世界」を開催中:デジタル展示も

2025年10月3日から10月30日まで、立正大学品川図書館(東京都品川区)において第53回企画展「知を刻む:版元が紡いだ書物世界」が開催されています。

出版文化が花開いた江戸時代の版元に焦点を当て、その出版物が紹介されています。江戸からは松会(堂)・蔦屋重三郎・蔦屋吉蔵、大坂からは河内屋太助と河内屋茂兵衛、京都からは村上勘兵衛、また地方の出版として駿府の採選亭が取り上げられています。

デジタル展示も開催されており、展示資料についてまとめられた動画や、展示資料一覧を閲覧することができます。

第53回企画展「知を刻む:版元が紡いだ書物世界」開催のお知らせ(立正大学図書館, 2025/9/26)
https://www.ris.ac.jp/library/news/20250926_tenji.html

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【イベント】神奈川県立図書館、令和7年度子ども読書活動推進フォーラム「本をつくる 本を届ける―独立系出版社と本屋のはなし―」(11/29・神奈川県)

2025年11月29日、神奈川県立図書館(横浜市)において令和7年度子ども読書活動推進フォーラム「本をつくる 本を届ける―独立系出版社と本屋のはなし―」が開催されます。

第1部では、明治学院大学横浜図書館学生サポーターによる活動の事例発表、第2部では、中岡祐介氏(出版社・三輪舎代表/本屋・生活綴方主宰)によるトークイベントが行われます。

参加費は無料で、定員は40人(要事前申込み)です。

2025年11月29日(土曜日)開催 令和7年度子ども読書活動推進フォーラム「本をつくる 本を届ける―独立系出版社と本屋のはなし―」(神奈川県立の図書館, 2025/9/25)
https://www.klnet.pref.kanagawa.jp/yokohama/new-info/2025/09/20251129.html

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ケンブリッジ大学出版局(CUP)と独・マックス・プランク協会、書籍のオープンアクセス出版に関する契約を締結

2025年9月、ケンブリッジ大学出版局(CUP)と独・マックス・プランク協会が書籍のオープンアクセス(OA)出版に関する契約を締結したことを発表しました。

同契約により、マックス・プランク研究所に所属する研究者は、同出版局を通じて新刊書をOAで出版できるほか、同出版局の学術プラットフォーム“Cambridge Core”上の書籍へ無制限にアクセスできるようになるとしています。

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出版倫理委員会(COPE)、論文撤回に関する編集者向けガイドラインの第3版を公表

2025年8月付けで、学術出版の倫理問題に取り組む国際的な団体である出版倫理委員会(COPE)が、論文撤回に関する編集者向けガイドラインの第3版を公表しました。

編集者にとって、撤回を検討すべき時期、通知に含めるべき内容、通知のタイミング、撤回を裏付ける証拠が不十分な場合の対応等についてまとめられています。

2019年に公表されたガイドラインの第2版を改訂したもので、同一号において多数の論文が影響を受ける一括撤回の対応等について新たなセクションが設けられているほか、2025年にCOPEが新たに公表した編集者の懸念表明に関するガイドライン“Expressions of concern”の内容に沿うものとしたあります。

Retraction guidelines(COPE, 2025/8/29)
https://doi.org/10.24318/cope.2019.1.4

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Library Publishing Coalition(LPC)、デジタル保存に関する図書館出版者向けガイドを公開

2025年9月15日、図書館による出版活動を進める大学図書館等によるイニシアティブLibrary Publishing Coalition(LPC)が、デジタル保存に関する図書館出版者向けガイド“Quick Guides to Digital Preservation for Library Publishers”を公開しました。

図書館出版者に向けて、出版物のデジタル保存に取り組むための最初のステップを紹介したもので、「保存対象リストの作成」「保存方針の策定」等の4テーマで構成されています。LPCのウェブサイトからHTML版とPDF版が利用可能です。

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台湾・文化部、第1回台湾国際児少書展を台中市で開催

2025年9月18日から21日まで、台湾・文化部の主催により、児童・青少年をテーマとした国際ブックフェアとして第1回台湾国際児少書展が台中市で開催されています。

文化部によると、初回となる今年度のテーマは「跨越城市.閲讀無界(Crossing Cities, Reading without Borders)」です。イタリア、フランス、日本等から作家、イラストレーター、出版関係者等が来台し、講座やワークショップを含む、200以上のイベントが開催されるとしています。

2025第1屆臺灣國際兒少書展即將開展 邀您跨越城市邊界 體驗閲讀樂趣(文化部, 2025/9/17)
https://www.moc.gov.tw/News_Content.aspx?n=105&s=243335

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英国物理学会出版局(IOP Publishing)、生成AIと査読に関する研究者の意識を調査した報告書を公表

2025年9月10日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)が、生成AIと査読に関する研究者の意識を調査した報告書“AI and Peer Review 2025 – Insights from the global reviewer”をウェブサイト上で公表しました。

同出版局が2024年に公表した、査読に関する調査報告書“State of peer review 2024”に続くものです。今回の調査では、物理学分野の研究者が査読におけるAIの活用をどのように捉えているか、2024年の調査で見られた傾向がどのように変化したのか等が検証されたとあります。

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神奈川県立図書館、企画展示「江戸時代と本―花開いた出版文化―」を開催:関連講演会も開催

2025年9月13日から2026年3月11日まで、神奈川県立図書館(横浜市)が、企画展示「江戸時代と本―花開いた出版文化―」を開催します。

江戸時代の出版文化をテーマに、「本が多様化する~江戸時代の娯楽小説の類型~」「本を造る~繊細なる和本の世界~」「本が身近になる~江戸の本屋と庶民の読書~」「本を読む、浮世絵を見る~江戸時代のベストセラー~」の4章構成で、同館の所蔵資料を紹介するとあります。

また、「本が身近になる~江戸の本屋と庶民の読書~」に関連して、11月1日には、2025年NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の時代考証を担当している鈴木俊幸氏(中央大学文学部教授)による講演会「蔦屋重三郎の仕事と江戸時代の書籍文化」も開催されます。

企画展示「江戸時代と本―花開いた出版文化―」(神奈川県立の図書館, 2025/9/11)
https://www.klnet.pref.kanagawa.jp/yokohama/new-info/2025/09/post-72.html

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