ノーマルビュー

昨日 — 2025年11月6日

欧州委員会、研究セキュリティ強化のための新たな措置を発表

2025年10月28日から30日までベルギーのブリュッセルで開催された第1回欧州研究セキュリティフラグシップ会議において、EUにおける研究セキュリティ強化のための新たな措置が発表されました。

スタートアップ・研究・イノベーション担当欧州委員Ekaterina Zaharieva氏が、近々提出される欧州委員会の欧州研究領域法(European Research Area Act)案に研究セキュリティに関する内容を盛り込むことを約束したとあります。

また、同会議では、次のようなEUの新たな取組についても取り上げられたとあります。

・欧州委員会内における新たな欧州研究セキュリティに関する欧州専門家センター(European Centre of Expertise on Research Security)の設立
・国際協力のリスク評価を支援するデュー・ディリジェンス・プラットフォームの構築
・加盟国が研究実施機関のレジリエンスを検証するための新たな共通手法

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一昨日以前

国文学研究資料館(国文研)の「国書データベース」、「J-DAC」との連携を開始:「オンライン版近代文学作家自筆資料集」の一部データベースの書誌情報が検索可能に

2025年10月30日、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館(国文研)は、「国書データベース」と丸善雄松堂株式会社が運営する人文社会系史資料のオンライン配信プラットフォーム「J-DAC」との連携を開始したことを発表しました。

これにより、J-DACの「オンライン版近代文学作家自筆資料集」中の以下のデータベースの書誌情報が「国書データベース」上で検索可能となりました。

・虚子記念文学館所蔵資料
・二松学舎大学所蔵 横溝正史旧蔵資料
・江戸川乱歩『貼雑年譜』

「国書データベース」とJ-DAC「オンライン版近代文学作家自筆資料集」(丸善雄松堂株式会社)との連携について(国文研, 2025/10/30)
https://www.nijl.ac.jp/news/8867/

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スペインの大学・科学図書館ネットワーク(REBIUN)、スペインの大学の学術成果を世界地図上で視覚化できるポータルサイト“GeoREBIUN”を公開

2025年10月20日、スペインの大学・科学図書館ネットワーク(REBIUN)が、スペインの大学の学術成果を世界地図上で視覚化できるポータルサイト“GeoREBIUN”の公開を発表しました。

GeoREBIUNは、各大学がリポジトリで公開している論文や報告書などに付与されている発信地・関連地といった地理位置情報を地図上に表示し、スペインの大学の学術成果がどの地域・国・都市に影響を与えているか、あるいはどこから発信されているかなどを、地理空間的視点から捉えることができるようになっています。

ポータルでは、コンテンツの検索・フィルタリング機能が利用できるほか、コンテンツリストや参加大学の研究成果に関する統計等も取得することができます。ポータル公開時では、8大学が参加しています。

Lanzamos GeoREBIUN(REBIUN, 2025/10/20)
https://www.rebiun.org/noticias/2025/lanzamos-georebiun

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Springer Nature社、2025年ノーベル賞受賞者の出版物をまとめた特設サイトを公開

2025年10月17日、Springer Nature社が、2025年ノーベル賞受賞者による出版物をまとめた特設サイト“Congratulations 2025 Nobel Prize Laureates”を公開したと発表しました。

このサイトでは、2025年ノーベル生理学・医学賞、物理学賞、化学賞、経済学賞の受賞者による、同社から出版されたジャーナル記事や書籍の章がまとめられています。オープンアクセス(OA)の論文は、恒常的に無料で利用できます。

Congratulations to the 2025 Nobel Prize Laureates(Springer Nature, 2025/10/17)
https://group.springernature.com/gp/group/media/press-releases/2025-nobel-prize-laureates/27820870

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researchmap、「論文等研究業績の即時オープンアクセス(OA)」に対応するための改修を2026年度リリース予定

2025年10月10日、科学技術振興機構(JST)が提供する研究者情報のデータベース「researchmap」について、「論文等研究業績の即時オープンアクセス(OA)」に対応するための改修が2026年度リリース予定で進められていることが発表されました。

改修の概要として、「即時OA関係項目の追加」「根拠データ、研究データへの対応」「DOIの利用拡大」等が挙げられています。

2026年度リリース予定「論文等研究業績の即時オープンアクセス対応の改修」について(researchmap, 2025/10/10)
https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/515443/97f1a38b420fbe3860e2c438796002c2

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【イベント】日本図書館協会(JLA)認知症バリアフリー図書館特別検討チーム研修会「健康寿命の鍵は本棚にあった~高齢者と図書館の関係について〜」(12/4・東京都、オンライン)

2025年12月4日、日本図書館協会(JLA)認知症バリアフリー図書館特別検討チーム研修会「健康寿命の鍵は本棚にあった~高齢者と図書館の関係について〜」が、日本図書館協会研修室(東京都中央区)及びオンラインで開催されます。

講演会では、自治体や図書館関係者等の参加者が、図書館を「健康長寿のまちづくり」を推進するための重要な戦略的資源として再認識する機会とすることを目的とするとあります。講師は佐藤豪竜氏(慶應義塾大学総合政策学部専任講師)です。

参加費は無料ですが、事前申込みが必要です。

認知症バリアフリー図書館特別検討チーム(JLA)
https://www.jla.or.jp/committees/ninchisho/
※研修会の案内が掲載されています。

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シンガポール国立図書館庁(NLB)、バス利用時に電子リソースにアクセスできるサービスを開始

2025年10月17日、シンガポール国立図書館庁(NLB)が、バス利用時に電子リソースにアクセスできるサービスを、一部の路線で開始したことを発表しました。

バスの乗客は、地元のアーティストが作成したNLBオリジナルの電子コミックを、QRコードをスキャンするだけで読むことができるとあります。このほか、NLBモバイルアプリでQRコードをスキャンすると、電子新聞、電子雑誌、電子書籍などのNLBの様々な電子リソースを閲覧・貸出しすることができるとされます。

Read and learn on the go with NLB’s new mobile Nodes on bus services around Singapore(NLB, 2025/10/17)
https://www.nlb.gov.sg/main/about-us/press-room-and-publications/media-releases/2025/Mobile-Node

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【イベント】電流協アワード2025受賞記念セミナー「「Books」が開く出版情報新時代」(11/19・東京都、オンライン)

2025年11月19日、電流協アワード2025受賞記念セミナー「「Books」が開く出版情報新時代」が、対面(東京都千代田区JCIIビル)とオンラインのハイブリッド形式で開催されます。

電流協アワード2025特別賞を受賞した出版書誌データベース「Books」は、どのような背景から生み出され、いかに成長し、何を目指してきたのか等について、関係者から話を聴くとあります。主なプログラムは次のとおりです。

第1部:「Books」の過去・現在・未来
1.「Books」の現在位置
  解説:渡辺政信氏(一般社団法人日本出版インフラセンター 専務理事)
2. 書誌情報収集・提供の草創期の困難
  解説:樋口清一氏(一般社団法人日本書籍出版協会 専務理事)
3. JPROの成立前後史と当時の出版業界の課題
  解説:永井祥一氏(一般社団法人日本出版インフラセンター 元専務理事)
4. 誰もが求めるデータベースへの成長
  解説:田中敏隆氏(一般社団法人日本出版インフラセンター出版情報登録センター管理委員会委員長 小学館監査役)

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DataCite、DOIの登録件数が1億件を超えたと発表

2025年10月20日、研究データの共有と活用の向上に向けて活動を行っている国際コンソーシアムDataCiteが、DataCiteのインフラストラクチャーに登録されたDOIが1億件を超えたことをブログ上で発表しました。

DataCiteは、設立以来約16年にわたり、DOI登録において毎年着実な成長を遂げてきており、2025年だけでもこれまで2,800万件を超える新規DOIが登録されたとあります。

100 Million DataCite DOIs: More than Just a Number(DataCite, 2025/10/20)
https://doi.org/10.5438/9ees-7×185

参考:
CA1849 – DataCite:国立図書館×DOI×研究データ / 福山樹里
カレントアウェアネス No.324 2015年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1849

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IFLA図書館参照モデル(IFLA LRM)に関するレクチャーの日本語訳(文献紹介)

2025年10月に刊行された『メタデータ評論』10巻に、IFLA図書館参照モデル(IFLA LRM)に関するレクチャー報告書の日英対訳が掲載されました。このレクチャーは、IFLA LRMの検討メンバーであったPat Riva氏が、2018年にイタリアで行ったものです。翻訳者は小野塚由希子(国立国会図書館)です。

IFLA LRMは、FRBR、FRAD、FRSADの概念モデルを統合した書誌情報に関わる参照モデルです。訳者の前書きでは、IFLA LRMは、今後、FRBRを採用している「日本目録規則2018年版(NCR2018)」などでも検討が必要となると考えられ、「Nomen」、「集合体現形」、「逐次刊行著作」などの複雑な概念を理解するため、報告書の日英対訳を公開するとしています。

Pat Riva著, 小野塚由希子訳. IFLA図書館参照モデル(IFLA LRM)レクチャー : 日英対訳. メタデータ評論. 2025, 10巻, p. 1-42.
https://doi.org/10.51042/metadatahyoron.10.0_1

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京都大学図書館機構、2025年ノーベル化学賞受賞が決定した北川進同大学理事・副学長、高等研究院特別教授の関連論文等のリンク集を公開:企画展示も開催中

2025年10月9日、京都大学図書館機構が、2025年ノーベル化学賞受賞が決定した北川進氏(同大学理事・副学長、高等研究院特別教授)の関連論文等のリンク集を公開しました。

関連して、2025年10月10日から、同大学桂図書館及び吉田南総合図書館において、企画展示「ノーベル賞受賞記念:京都大学特別教授・北川進先生記念展示」も開催されています。

ノーベル化学賞を受賞された北川進理事・副学長、高等研究院特別教授の関連論文等のリンク集を公開しました(京都大学図書館機構, 2025/10/9)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1405577

【吉田南総合図書館・桂図書館】「ノーベル賞受賞記念:京都大学特別教授・北川進先生記念展示」を開催しています(10/10-)(京都大学図書館機構, 2025/10/10)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1405597

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OA2020と研究情報のオープン化に関するバルセロナ宣言、学術出版物のメタデータのオープン化に取り組む共同タスクフォースを設立

2025年10月2日、学術雑誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”と研究情報のオープン化に関するバルセロナ宣言は、学術出版物のメタデータのオープン化に取り組む共同タスクフォース“Joint Task Force on Negotiating Openness of Publication Metadata”の設立を発表しました。

学術出版物のメタデータを始めとする研究情報の多くが有料のシステム上で提供され、ブラックボックスと化しているという現状に対して、同タスクフォースは、研究機関と学術出版者間の契約交渉において、メタデータのオープン性を要件に組み込むための戦略策定等に取り組むものとあります。

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HathiTrust、リソース共有プロジェクトのパイロットを開始:著作権で保護された資料への合法的なアクセス手段の拡大に向けたプロジェクト

2025年9月25日、米国の大学図書館等による共同リポジトリ事業であるHathiTrustが、リソース共有プロジェクト(Resource Sharing project)のパイロットを開始したと発表しました。

著作権で保護された資料への合法的なアクセスの拡大を目指すものとあります。Hathi Trustに収録されているデジタル資料のうち著作権で保護されたコンテンツについて、パイロット参加館が所蔵する紙資料と同一のものがある場合に、参加館は章、記事、または抜粋部分のスキャンデータを取得することができるとあります。このサービスにより、パイロット参加館はより迅速かつ効率的に図書館間貸出し(ILL)やドキュメントデリバリーのリクエストに応えることができるとしています。

現時点ではパイロットに参加している9機関のみがサービスを利用することができますが、2026年初頭には全HathiTrust参加館に段階的に展開される予定とあります。

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【イベント】INFOPRO 2025:第22回情報プロフェッショナルシンポジウム(12/4-5・東京都、オンライン)

2025年12月4日と5日、一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)が、「INFOPRO 2025(第22回情報プロフェッショナルシンポジウム)」を科学技術振興機構(東京都千代田区)での会場参集とオンライン配信により開催します。

企業・大学・図書館のインフォプロ(Information Professional、情報専門家)のためのシンポジウムとあります。今年のメインテーマは「AIと共に創る新しい世界」です。

一般口頭発表、落合陽一氏(筑波大学図書館情報メディア系准教授/デジタルネイチャー開発研究センター長)による特別講演等が予定されているほか、特別セッションとして、INFOSTA創立75周年記念式典が開催されます。

参加費は無料で、事前申込みが必要です。

INFOPRO 2025(第22回情報プロフェッショナルシンポジウム)
https://www.info-pro.org/

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米国図書館協会(ALA)、高齢者向けの図書館プログラムの評価等に取り組むプロジェクト“Aging Together: An Evaluation of Library Programs for Older Adults”を開始

2025年9月29日、米国図書館協会(ALA)が高齢者向けの図書館プログラムの評価等に取り組むプロジェクト“Aging Together: An Evaluation of Library Programs for Older Adults”を開始すると発表しました。

米国の図書館において高齢者を対象として実施されているプログラムの現状を評価し、優良事例やモデルの特定・普及を目指すものとあります。同国の慈善団体The John A. Hartford Foundationの助成を受けて実施され、期間は2025年9月から2027年2月までの18か月です。

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カナダ・ビクトリア大学図書館、図書館を拠点とする高等研究機関“Kula: Library Futures Academy”を設立

2025年9月10日、カナダのビクトリア大学図書館が、図書館を拠点とする高等研究機関である“Kula: Library Futures Academy”の設立をウェブサイト上で発表しました。世界初の試みとして紹介されています。

誤情報や偽情報が飛び交い、情報が氾濫する現代において、大学図書館はもはや単なる研究成果の保管庫ではなく、地球規模の課題への取組みやイノベーションの促進に向けた学際的な協働を促す場として、重要な役割を果たしているとしています。

このような状況において、新たに設立されるKula: Library Futures Academyは、図書館を拠点とする高等研究機関として、人々とコミュニティを知識とデジタル基盤につなぐ役割を担うことを目的とすると述べられています。

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【イベント】九州大学、国際シンポジウム「研究データ管理支援に関する機関内・外のネットワーク構築」(10/17・福岡県、オンライン)

2025年10月17日、国際シンポジウム「研究データ管理支援に関する機関内・外のネットワーク構築」が、九州大学伊都キャンパス(福岡県福岡市)とオンラインでのハイブリッド形式で開催されます。

米国のコーネル大学図書館から研究データサービスの実務家を招き、研究機関内及び機関の枠組みを超えた研究データ管理の支援体制構築に必要なこと等について議論するとあります。

研究データ管理に興味がある人であれば、事前申込みの上、誰でも参加可能です。定員は、会場参加が80人、オンライン参加が200人です。

【開催します】国際シンポジウム「研究データ管理支援に関する機関内・外のネットワーク構築」【同時通訳あり】(九州大学, 2025/9/12)
https://rds.dx.kyushu-u.ac.jp/news/2015

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オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、学術文献におけるセマンティック多言語検索の概念モデル案開発プロジェクトに着手

2025年9月8日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が、学術文献におけるセマンティック多言語検索の可能性を調査し、その技術をリポジトリと全文データベースに適用できる概念モデル案の開発プロジェクトに着手したことを発表しました。

セマンティック多言語検索は、複数言語の文を共通する「意味空間」内のベクトルとして表す学習モデルである多言語埋め込み(multilingual embeddings)という技術により、様々な言語で書かれた学術文献を、言語や言葉遣いに関係なく発見可能とするものです。この記事では、開発プロジェクトの初期の調査結果、次の段階の作業概要が紹介されています。

初期の調査結果は次のとおり、有望なものであったとしています。

・言語間の検索は自然であった。
・取り上げられることの少ない言語の可視性が向上した。
・既存システムとの互換性が確認された。

同モデルを支える技術の詳細をまとめた完全な報告書を準備中で、コミュニティに公開する予定としています。

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【イベント】日本医療研究開発機構(AMED)、令和7年度 研究公正セミナー「研究データ管理の観点から、研究の信頼性を高めよう!」(10/30、11/27・東京都、大阪府、オンライン)

2025年10月30日と11月27日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の主催で、令和7年度 研究公正セミナー「研究データ管理の観点から、研究の信頼性を高めよう!」が対面及びオンラインで開催されます。対面の会場は、10月30日が大手町三井カンファレンス(東京都千代田区)、11月27日がコングレスクエア グラングリーン大阪(大阪府大阪市)です。

研究データに関する21世紀以降の中長期的な流れと、近年議論されるようになったオープンサイエンスの両方の観点から研究データ管理の原則を再度見直すことを目的としています。

当日のプログラムは次のとおりです。

・講演1「研究データの”信頼性”とは、そしてそれを”管理する”とは」
飯室聡氏(国際医療福祉大学教授)
・講演2「実験科学における研究の信頼性を考える」
田中智之氏(京都薬科大学教授)
・講演3「オープンサイエンス時代のデータ管理教育 -学生には何を求めるべきか-」
岡林浩嗣氏(筑波大学准教授)
・講演4「研究データの公正性と信頼性を支えるGakuNin RDMの戦略」
込山悠介氏(国立情報学研究所准教授)
・意見交換会(対面参加者のみ)

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トルコにおけるオープンアクセスの状況(記事紹介)

2025年9月29日、オープンアクセス(OA)ジャーナルのディレクトリであるDirectory of Open Access Journals(DOAJ)が、トルコにおけるOAの状況に関するブログ記事“Advancing Open Access in Türkiye”を掲載しました。

トルコでは既にOAでの論文公開が一般化(論文全体の約75%)していることや、論文掲載料(APC)が不要なダイヤモンドOAが占める割合が非常に高く(約95%)、DOAJの世界平均(約65%)を大幅に上回ることなどが紹介されています。

Advancing Open Access in Türkiye(DOAJ Blog, 2025/9/29)
https://blog.doaj.org/2025/09/29/advancing-open-access-in-turkiye/

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