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昨日 — 2025年7月22日カレントアウェアネス・ポータル - カレントアウェアネス-R

米・図書館情報資源振興財団(CLIR)、エミュレーション技術の概要をまとめたレポートを公開

2025年7月8日、米・図書館情報資源振興財団(CLIR)が、古いソフトウェア等の電子情報の利用に必要な再生環境等を擬似的に再現する手段として用いられるエミュレーション技術について概要をまとめたレポート“An Overview of Emulation as a Preservation Method”をウェブサイト上で公開しました。

同レポートは、米国を中心として、ソフトウェアの長期保存に取り組んでいる団体Software Preservation Network(SPN)のメンバーによって執筆されたもので、エミュレーション技術の基本概念、関連文献のレビュー、実例紹介等で構成されているとあります。

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Library Publishing Coalition(LPC)、図書館出版に関する主要な研究課題を示した“Library Publishing Research Agenda”の第2版を公開

2025年7月17日、図書館による出版活動を進める大学図書館等によるイニシアティブLibrary Publishing Coalition(LPC)が、図書館出版に関する主要な研究課題を示した“Library Publishing Research Agenda”の第2版をウェブサイト上で公開しました。

図書館出版に関する実践を強化するために更なる研究が求められる領域を示したもので、2020年に初版が公開されました。「評価」「アクセシビリティ」「査読」等の六つのトピックに沿って、研究課題や調査を進めるためのリソース等がまとめられています。

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米国議会図書館(LC)、創作物の長期保存のための推奨フォーマットに関するガイド“Recommended Formats Statement”の2025-2026年版を公開

2025年7月15日、米国議会図書館(LC)が創作物の長期保存のための推奨フォーマットに関するガイド“Recommended Formats Statement”(2025-2026年版)の公開を発表しました。

同ガイドは年1回更新されており、発表によると、2025-2026年版では「デザイン及び3D」(Design and 3D)、「Email」等の項目において変更が加えられました。

Recommended Formats Statement: Updates for 2025-2026(The Signal, 2025/7/15)
https://blogs.loc.gov/thesignal/2025/07/rfs-updates-2025-2026/

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国立国会図書館(NDL)関西館、第34回関西館資料展示「ブレイク刷るー!―ページが語る印刷技術の歴史」を開催:関連講演会も実施

2025年9月18日から10月14日まで、国立国会図書館(NDL)関西館(京都府相楽郡精華町)が、第34回関西館資料展示「ブレイク刷るー!―ページが語る印刷技術の歴史」を開催します。

展示では、近世から現在にかけて進歩してきた印刷技術に関する本、実際にその技術を使って印刷された本などを紹介します。

同展示の関連イベントとして、9月26日に金子貴昭氏(京都先端科学大学人文学部歴史文化学科准教授)による講演会「板木から読み解く江戸の出版事情~板木が果たした役割~」を、「けいはんな学研都市7大学連携 市民公開講座2025」の一環として、NDL関西館で開催します。参加費は無料で、定員は200人(要事前申込み、先着順)です。

第34回関西館資料展示「ブレイク刷るー!―ページが語る印刷技術の歴史」(NDL)
https://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/kansai_202509.html

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フランス・文化省、文化分野におけるAIに係る行動戦略を公表

2025年7月2日、フランス・文化省(Ministère de la Culture)が、文化分野における人工知能(AI)に係る行動戦略を公表しました。

AIの利用が飛躍的に進む中、文化分野における変化を支援するなどのために作成されたものです。図書館に関しては、博物館、文書館等とともに、資料の索引作成や検索、手書き文字のデジタル化等におけるAI活用の可能性等が言及されています。

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一昨日以前カレントアウェアネス・ポータル - カレントアウェアネス-R

図書館による貸出履歴の保持に対する利用者の認識(文献紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)刊行のオープンアクセス誌“College & Research Libraries”(C&RL)の86巻4号に、図書館による貸出履歴の保持に対する利用者の認識等を調査した記事“Help or Hazard? Patrons’ Checkout History Retention Choices and Relations to Trust and Campus Role”が掲載されています。著者は、米・ミシガン大学図書館のCraig E. Smith氏等です。

ミシガン大学図書館では利用者とその貸出履歴に関するデータの紐づけを行っており、利用者は図書館による貸出履歴の保持に同意するかを選択可能となっています。

記事では、同館の利用者588人を対象として、貸出履歴データの保持に同意するかの選択とその理由、データプライバシーに対する意識との関係性等を調査した結果が述べられています。主な結果として、全体の90%以上が貸出履歴の保持に同意したこと、保持に同意したグループは同意しなかったグループと比較して、プライバシーへの懸念が低く、大学図書館に対する信頼度が比較的高い傾向にあったこと等が挙げられています。

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論文のオープンアクセス出版の適格性を決定するタイミングについて(記事紹介)

2025年7月15日付けで、米国の非営利出版者Annual Reviewsによる世界の図書館員、出版者、ベンダー向けのオンライン雑誌“Katina”に、論文のオープンアクセス(OA)出版の適格性を決定するタイミングに関する記事“For Fairer Open Access Deals, Base Article Eligibility on Submission Date”が掲載されています。著者は、米・ミネソタ大学図書館のSunshine Carter氏等です。

Read & Publish契約では、論文にOA出版の資格があるか否かを出版者が決定するタイミングは、論文の投稿時点ではなくアクセプトされた時点であるとしています。しかし、査読に時間を要する等の理由により出版までの期間が長期化した場合、著者にとって見通しが立たないほか、図書館にとっても出版者との契約更新や予算管理等の点で問題が生じ得ることなどから、全ての論文がアクセプトされるとは限らないものの、論文のOA出版が投稿時点で保証されるようにすることの利を説いています。

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国立国会図書館(NDL)、デジタル資料の長期保存に必要なメタデータを定めたPREMISの概説書「Understanding PREMIS」の日本語訳を公開

国立国会図書館(NDL)が、デジタル資料の長期保存に必要なメタデータを定めたPREMISの概説書「Understanding PREMIS」(PREMISを理解する)の日本語訳を公開しました。

PREMISは、デファクトスタンダートとなっており、米国議会図書館(LC)が支援するPREMIS編集委員会が維持を行っています。「Understanding PREMIS」は、初心者が理解しやすいよう、概説書として作成されたもので、日本語訳は、同書の2021年改訂版を翻訳し、2025年6月に刊行したものです。

電子情報の標準に関する翻訳及び調査報告:Understanding PREMIS(PREMISを理解する)の日本語訳(NDL)
https://www.ndl.go.jp/jp/dlib/standards/translation/index.html#PREMIS

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学術文献にアクセスするための15のツールのカバレッジ比較(文献紹介)

米国科学アカデミーの機関誌PNAS誌の122巻27号に、学術文献にアクセスするための15のツールのカバレッジを比較した論文“Comparing conventional and alternative mechanisms of discovering and accessing the scientific literature”が掲載されています。著者は、南イリノイ大学のWilliam H. Walters氏です。

ScopusやPubMed等の図書館で利用できる従来のデータベースと、Google Scholar、OpenAlex、ResearchGate、Sci-Hub等の新たな無料の代替ツールについて、書誌事項と全文テキストのカバレッジを比較しています。

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オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、AIボットとリポジトリに関するタスクフォースを立ち上げ

2025年7月15日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が、AIボットとリポジトリに関するタスクフォースの立ち上げを発表しました。

発表によると、同タスクフォースは、生成AI学習のためのデータ収集が目的と疑われるクローラー(AIボット)による、リポジトリに対する攻撃的なアクセスの増加に伴う問題に対処するために設置されました。

技術的専門家とリポジトリ側の代表者が協力して、同問題に対する解決策を評価し、コミュニティに対する提言を策定する予定としています。

COAR Launches AI Bots and Repositories Task Force(COAR, 2025/7/16)
https://coar-repositories.org/news-updates/coar-launches-ai-bots-and-repositories-task-force/

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ジャパンリンクセンター(JaLC)、“DOI Handbook”(2023年4月版)の日本語版を公開

2025年7月16日、ジャパンリンクセンター(JaLC)は、DOI財団が作成した“DOI Handbook”(2023年4月版)の日本語版をウェブサイト上で公開しました。

DOIシステムに関する主要な情報をまとめたハンドブックで、HTML版とPDF版が利用可能です。

JaLC
https://japanlinkcenter.org/top/index.html
※お知らせ欄に2025年7月16日付けで「DOI HANDBOOK(日本語版)を公開しました。」とあります。

DOI HANDBOOK(JaLC)
https://japanlinkcenter.org/top/about_doihandbook.html

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公益財団法人新聞通信調査会、「同盟通信社資料公開サイト 新聞通信調査会デジタルアーカイブ」で理事会・社員総会の全議事録等を公開

2025年7月16日、公益財団法人新聞通信調査会が、「同盟通信社資料公開サイト 新聞通信調査会デジタルアーカイブ」で、1945年に解散した社団法人組織である同盟通信社の理事会と社員総会の全議事録、計48回分を公開しました。

このうち、理事会議事録の20回分は、同調査会も協力して過去に出版された『近代日本メディア史資料集成』(全22巻)にも収録されておらず、今回が初めての公開と考えられるとあります。

このほか、満州事変の翌1932年に設立された満州国通信社が、1942年に発行した社史『国通十年史』も公開されています。

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米国の学術系の図書館協会や出版協会、連邦政府による資金の大幅な削減等に関する声明を発表

2025年7月9日、米・学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)が運営するブログ“The Scholarly Kitchen”において、米国の学術系の図書館協会や出版協会による、連邦政府の資金の大幅な削減等に関する声明が発表されました。

声明には、北米の研究図書館協会(ARL)、国際STM出版社協会(International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers:STM)の代表等が参加しています。連邦政府の資金の大幅な削減などにより、米国の研究活動が試練に直面しているとし、基礎科学や人文科学への公的投資、信頼できる情報へのアクセス及び図書館等に対する強力なサポート、言論や学問の自由と差別の禁止等への支持が表明されています。

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フランス・文化省、創造の自由のための法的及び実践的なガイドを作成

2025年7月4日、フランス・文化省(Ministère de la Culture)が、創造の自由のための法的及び実践的なガイドを作成したと発表しました。

同ガイドは、芸術作品の創造と普及に関わる専門職を対象に作成されたもので、文化分野の全ての関係者が自由を行使し、擁護できるよう支援することを目的としています。

図書館(特に公共図書館)については、関連法の規定を参照しつつ、誰もが自由に無料で利用でき、多様な資料が提供される、意見交換の場である必要があるとし、その意味において知識と研究の進歩及びそれらの普及に貢献するものであるとしています。その上で、実践的な対応方法の例として、適切な開館時間を設けること、建物を障害のある人が利用できるようにすること、書架に展示する資料は多様でバランスがとれたものとし、定期的にテーマ(歴史、政治、科学等)を変えることなどが挙げられています。

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米・ミシシッピ州立大学図書館の歴史(文献紹介)

2025年7月11日付けで、図書館員の実践等に焦点を当てるオープンアクセス誌“The Journal of Creative Library Practice”に米・ミシシッピ州立大学図書館の歴史に関する記事“Shaking Up the Shelves: Navigating Change at Mississippi State University Libraries”が掲載されています。著者は、同館司書のKC New氏等です。

記事では、ミシシッピ州立大学図書館の約150年にのぼる歴史について、時代の変化に応じたレファレンスサービスの変容や近年の館内の様子などに触れつつ紹介されています。

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「ガザ地区・3Dデジタルアーカイブ」が公開

2025年7月9日、東京⼤学大学院情報学環の渡邉英徳教授のXのアカウントにおいて、「ガザ地区・3Dデジタルアーカイブ」(Gaza 3D Digital Archives)の公開が発表されました。

東京大学とアルジャジーラ(カタールに拠点を置く衛星テレビ局)及び国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)との共同制作で、これらの機関の現地映像を元に、パレスチナ・ガザ地区の光景を3D空間として再構築したとしています。

@hwtnv(X, 2025/7/9)
https://x.com/hwtnv/status/1942915610817757344
https://x.com/hwtnv/status/1942893384575889411

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日本図書館協会(JLA)図書館災害対策委員会、「災害等により被災した図書館等への助成(2025年度)」を希望する図書館の募集を開始

2025年7月15日、日本図書館協会(JLA)図書館災害対策委員会が、「災害等により被災した図書館等への助成(2025年度)」を希望する図書館の募集を開始しました。

原則として2024年1月以降の災害(令和6年能登半島地震など)及び事故並びに東日本大震災で被災した図書館で、復旧・復興に取り組んでいる公共図書館、大学図書館(短期大学・高等専門学校図書館を含む)、学校図書館、専門図書館、公民館図書室等が対象です。助成額は、一施設当たり20万円を基本とし、最大50万円が限度とされています。

助成の対象となるのは、図書館の復旧・復興及び被災者支援等に係る図書館資料・物品の購入や事業の経費です。

応募の締切りは9月19日で、助成対象機関は災害対策委員会の審査を経て、11月7日までに決定され、文書で通知されます。

災害等により被災した図書館等への助成(2025年度)(JLA, 2025/7/15)
https://www.jla.or.jp/committees/saigai/saigaijosei2025/

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新潟県立歴史博物館、夏季テーマ展示「戦後80年 私の戦争体験記―銃後の日々―」を開催中

2025年7月12日から8月24日まで、新潟県立歴史博物館(長岡市)において、夏季テーマ展示「戦後80年 私の戦争体験記―銃後の日々―」が開催されています。

2025年で終戦から80年の節目を迎えるに当たり、直接の戦場ではない後方、特に県内の様子を中心に紹介しています。

夏季テーマ展示「戦後80年 私の戦争体験記―銃後の日々―」(7/12~8/24)(新潟県立歴史博物館, 2025/4/8)
https://nbz.or.jp/?p=33335

参考:
広島県立図書館、資料展示「<被爆80年>未来へつなぐヒロシマの記憶」を開催中 [2025年07月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/255050

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英国の文化・メディア・スポーツ省(DCMS)、図書館非利用者を対象とした図書館の利用障壁等に関する調査報告書を発表

2025年7月10日、英国の文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が図書館非利用者を対象とした図書館の利用障壁等に関する調査報告書“What works to engage library non-users”を発表しました。

DCMSが2024年10月に発表した報告書“Barriers to library use – qualitative research report”のフォローアップとして、民間調査会社Ipsos社への委託により作成されたものです。

過去1年間に公共図書館を利用したことがない17歳以上のイングランド在住者を対象として、性別・年齢等の属性、図書館に対する認識、図書館の利用を妨げている要因、利用を促進するために求められるサービス等を分析した結果がまとめられています。

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米国科学振興協会(AAAS)、オープンライセンスに対する研究者の意識調査の結果を公表

2025年6月23日、米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)が、オープンライセンスに対する研究者の意識調査の結果をウェブサイト上で公表しました。

同調査は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BYライセンスを始めとしたオープンライセンスの影響に対する研究者の認識を明らかにすることを目的として、2024年秋に実施されました。多様な分野、年齢、キャリアの研究者220人以上が回答したとあります。

Interests, Concerns and Knowledge Gaps around Open Licenses(AAAS, 2025/6/23)
https://www.aaas.org/news/interests-concerns-and-knowledge-gaps-around-open-licenses

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