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American Libraries誌が選ぶ革新的な図書館建築2025年版(記事紹介)

米国図書館協会(ALA)が刊行するAmerican Libraries誌の2025年9月/10月号において、利用者のニーズに効果的に対応した革新的で興味深い図書館建築を表彰する“Library Design Showcase”の2025年の受賞館が発表されました。

今年で37回目の表彰で、2024年5月1日から2025年4月30日の間に新築・改修・拡張された北米の図書館が対象です。

記事には選出された15館の写真が掲載されているほか、各館の概要と、建築家、面積、建設費等の情報がまとめられています。

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応用脳科学コンソーシアム等、筆記と読書の関係性を科学的に検証する調査結果を発表:デジタル時代の学生の読み書きの実態を調査

2025年9月1日、応用脳科学分野を始めとする研究開発等に取り組む一般社団法人応用脳科学コンソーシアムが、筆記と読書の関係性を科学的に検証した調査結果を発表しました。

デジタル時代の学生の読み書きの実態に関する調査で、東京大学大学院総合文化研究所・酒井研究室、株式会社NTTデータ経営研究所、日本紙パルプ商事株式会社、公益財団法人日本漢字能力検定協会、株式会社日本能率協会マネジメントセンター、株式会社パイロットコーポレーションと共同で実施されました。

2025年3月から8月まで、全国の18歳から29歳の学生計1,062人を対象としてアンケート調査が実施されました。「書く」ことについては、大学等の講義記録と日常における予定管理について使用する媒体(紙、電子機器)とその使用頻度等を、「読む」ことについては、日常における本や新聞、雑誌等を読む際に使用する媒体や時間が調査されました。

発表の中では、調査の結果等がまとめられています。大学等の講義内容を記録する人としない人について国語問題の成績を比較したところ、前者の方が成績が良かったこと、また、本や新聞・雑誌を普段読む人は、全く読まない人より成績が良かったことなどが紹介されています。

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「カナダ製を買おう」運動と書籍市場(記事紹介)

2025年8月22日、「カナダ製を買おう」運動と書籍市場に関して取り上げた記事“Buy Canadian: What it means for the book market”が、カナダの非営利団体BookNet Canadaのウェブサイトに掲載されました。

カナダにおいては、関税をめぐる懸念などから、カナダ国民がカナダ製品を購入しようとする“Buy Canadian”の動きが見られるとあります。記事では、“Buy Canadian”に関して、書籍市場に焦点を当てて述べられています。カナダ人作家による/カナダに関する書籍をカナダ人がどの程度読んだか等に関するBookNet Canadaの過去の調査結果や、カナダ人作家による書籍の2025年1月から8月までの売上等が示されています。また、カナダの出版業界が“Buy Canadian”運動を支援するための方法も紹介されています。

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米国情報標準化機構(NISO)、オープンアクセス出版の業務プロセスに関する推奨事項をまとめた文書の草案を公開:パブリックコメントを実施中

2025年8月29日、米国情報標準化機構(NISO)がオープンアクセス(OA)出版の業務プロセスに関する推奨事項をまとめた“NISO Recommended Practice on Open Access Business Processes (OABP)”の草案をウェブサイト上で公開しました。

発表によると、同文書は、近年急増するOA出版に対応するため、従来の購読モデルを前提としたシステムやワークフロー等における課題を解決することを目的としています。10月17日まで草案に対するパブリックコメントが実施されています。

Press Releases(NISO)
https://www.niso.org/press-releases
※2025年8月29日付けで“NISO’s Draft Recommended Practice for Open Access Business Processes Now Open for Public Comment”とあります。

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台湾初の「国家档案館」が9月2日にプレオープン

2025年9月2日、台湾初の「国家档案館」(国家公文書館)がプレオープンしました。

台湾・国家発展委員会档案管理局の発表によると、同館は地上10階、地下2階建ての建物で、常設展示室、特別展示室、児童向け体験スペース、カフェ等の様々なサービス施設を備えています。正式な開館は11月22日を予定しているとあります。

國家檔案館9/2起試營運 時光郵筒首週限定開跑!(国家発展委員会档案管理局, 2025/9/1)
https://www.archives.gov.tw/tw/arctw/236-9879.html

台湾初の公文書館「国家檔案館」、9/2プレオープン(Taiwan Today, 2025/8/27)
https://jp.taiwantoday.tw/photos/7187/52000

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米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)、公共図書館に関する統計データの2023会計年度版を公開

2025年9月2日、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)は、公共図書館に関する統計データの最新版(2023会計年度版)を公開したことを、図書館システムや自動化に関する情報サイト“Library Technology Guides”において発表しました。

全米50州、コロンビア特別区及び海外領土にある、約9,000の公共図書館システム(public library systems)から収集されたデータが提供されているとあります。

Increased Public Library Usage Shown by IMLS Survey Data(Library Technology Guides, 2025/9/2)
https://librarytechnology.org/pr/31661

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【イベント】令和7年度全国公共図書館研究集会(サービス部門/総合・経営部門)兼第32回静岡県図書館大会(12/1-2・静岡県)

2025年12月1日から2日まで、静岡県立中央図書館の主管により、令和7年度全国公共図書館研究集会(サービス部門/総合・経営部門)兼第32回静岡県図書館大会が開催されます。

研究テーマは「図書館と書店の共存・共栄」です。図書館と書店の置かれた状況を踏まえ、また実際の事例を元に進むべき方向性を見据え、図書館と書店の共存・共栄について考える機会とするとあります。

1日目は第32回静岡県図書館大会と兼ねており、静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ(静岡市)への会場参集で開催されます。

主なプログラムは次のとおりです。

●1日目(12月1日)
○講演会「公立図書館と新刊書籍市場の曖昧な関係:図書館の蔵書傾向および書店支援」
大場博幸氏(日本大学文理学部教授)

○第1分科会:図書館サービス①
「みんなの図書館とまちづくり」
土肥潤也氏(みんなの図書館さんかく館長)

○第2分科会:図書館サービス②
「誰もが楽しめる電子図書館~将来性と活用のヒント~」
家禰淳一氏(愛知大学文学部人文社会学科教授)

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中国のデジタル出版の2024年売上高、過去最高を更新

2025年8月27日付けの新華網の記事で、8月27日に「2024-25年中国デジタル出版産業年次報告」(2024-2025年中国数字出版产业年度报告)が発表されたとしています。

記事によると、同報告では、中国のデジタル出版産業の売上高は増加し続けており、2024年の年間総売上高は、前年比8.07%増の1兆7000億元(日本円で約36兆円)に達し、過去最高を更新したとしているとあります。

新华鲜报丨“数”读魅力!我国数字出版产业规模超1.7万亿元(新華網, 2025/8/27)
http://www.news.cn/20250827/9cccc11c20c245ac9a99dce238c541a1/c.html

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フィンランド国立図書館、1954年までにフィンランドで発行された新聞のデジタル化を完了

2025年9月1日、フィンランド国立図書館が1954年までにフィンランドで発行された新聞のデジタル化を完了したと発表しました。

1939年までの新聞は、同館のウェブサイト“digi.kansalliskirjasto.fi”を通じて誰でも閲覧可能であり、1940年から1954年までのものも同国の納本図書館内の端末で閲覧可能としています。今後の目標としては、1960年までの新聞のデジタル化を進めるとしています。

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国文学研究資料館(国文研)と情報・システム研究機構(ROIS)、「大規模言語モデルの開発に関する覚書」を締結

2025年9月1日、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館(国文研)が、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(ROIS)と「大規模言語モデルの開発に関する覚書」を締結したと発表しました。

国文研では主に古典籍のテキストデータの提供等により、ROIS国立情報学研究所(NII)大規模言語モデル研究開発センター(LLMC)による大規模言語モデルの研究開発に協力するとしています。

情報・システム研究機構(ROIS)と「大規模言語モデルの開発に関する覚書」を締結しました。(国文研, 2025/9/1)
https://www.nijl.ac.jp/news/2025/09/58.html

TOPICS(国立情報学研究所 大規模言語モデル研究開発センター)
https://llmc.nii.ac.jp/topics/
※2025年9月1日付けで「国文学研究資料館と情報・システム研究機構(ROIS)が「大規模言語モデルの開発に関する覚書」を締結」とあります。

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【イベント】第27回図書館総合展 国立国会図書館主催フォーラム「NDLラボの公開ツールを使ってみよう!―NDL古典籍OCR-Liteや古典籍・近代自筆資料への全文検索が広げる資料探索の可能性―」(10/23・神奈川県)

2025年10月23日、国立国会図書館(NDL)は、パシフィコ横浜(横浜市)で行われる第27回図書館総合展において、フォーラム「NDLラボの公開ツールを使ってみよう!―NDL古典籍OCR-Liteや古典籍・近代自筆資料への全文検索が広げる資料探索の可能性―」を開催します。

本フォーラムでは、デジタル人文学のフィールドにおけるNDL古典籍OCR-Lite(動作環境を選ばない軽量版OCR)の活用事例を共有し、近代自筆資料等におけるNDLラボの公開する成果の活用可能性を検討することで、NDLの次世代サービスの次の一歩を考えていきます。主な内容は次のとおりです。

・報告「TEIガイドラインを通じたOCRテキストの利便性向上」
 永崎研宣氏(慶應義塾大学文学部教授、一般財団法人人文情報学研究所主席研究員)
・報告「NDL古典籍OCR-Liteを活用した近代自筆資料の構造化と可視化―森鴎外『抽斎年譜』を事例に―」
 村田祐菜(国立国会図書館電子情報部システム基盤課)
・報告「創作現場で、何が起こっていたのか?―自筆資料のデジタル探索―」
 多田蔵人氏(国文学研究資料館研究部准教授)
・パネルディスカッション「研究活動の今後の展望とOCR等次世代サービスへの期待」

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京都大学大学文書館、企画展「京都帝国大学の「戦争」」を開催中

2025年8月5日から10月5日まで、京都大学大学文書館による企画展「京都帝国大学の「戦争」」が、京都大学百周年時計台記念館(京都市)において開催されています。

戦時期の大学全体の動きや理科系・文科系の研究教育活動を通して、京都帝国大学と戦争との関わりについて、大学文書館所蔵の資料から紐解き、当時の国策としての戦争に向き合った大学の姿を改めて展示するとあります。

企画展「京都帝国大学の「戦争」」を開催します。(京都大学大学文書館, 2025/8/1)
https://kua1.archives.kyoto-u.ac.jp/ja/%e6%9c%aa%e5%88%86%e9%a1%9e/2183.html

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埼玉県立熊谷図書館、令和7年度第2回資料展「江戸の出版文化」を開催中:文化講座「江戸時代の本と本屋さん」も

2025年8月5日から9月23日まで、埼玉県立熊谷図書館(熊谷市)において令和7年度第2回資料展「江戸の出版文化」が開催されています。

「江戸の出版文化」をテーマに、江戸時代における本屋の役割及び出版文化に関する資料が展示されています。当時の本屋の幅広い仕事に関する図書、江戸時代に実際に読まれていた和本、埼玉県人による出版物が紹介されています。

9月23日には、松永瑠成氏(筑波大学特任助教)による文化講座「江戸時代の本と本屋さん」も開催されます。

【熊谷】資料展「江戸の出版文化」(埼玉県立図書館)
https://www.lib.pref.saitama.jp/event/exhibit/exhibit/post-354.html

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図書館員のスキルセットとAIのニーズ(文献紹介)

2025年8月22日付けで、Cataloging & Classification Quarterly誌にOA記事“The Librarian Skillset and the Needs of Artificial Intelligence”が掲載されました。著者は、Elsevier Discovery LabのCorey Harper氏等です。

あらゆる分野でAI関連の新たな業務が生まれている今日、図書館員の能力と密接に関連する新たなスキルの重要性が認識されるようになってきたとあります。図書館員のスキルが特に重要になってくるAI関連業務として、情報組織化、文書作成支援、社会的影響の評価、ユーザーと開発者の双方のコミュニティとの連携が含まれるとしています。記事では、米国図書館協会(ALA)が定める図書館員の能力(competency)及び図書館情報学カリキュラムと、AI分野における必要なスキルとの対応関係のマッピングが試みられています。また、責任あるAIと社会正義、データエンジニアリングと評価など、五つの対応領域における分析も行われています。

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EIFLの交渉によるオープンアクセス契約の効果(記事紹介)

2025年8月27日付けで、開発途上国において図書館を通じた情報へのアクセス向上に取り組む非営利団体EIFLのウェブサイトに、EIFLの交渉によるオープンアクセス(OA)契約の効果に関する記事“EIFL agreements increase publishing in open access”が掲載されました。

EIFLでは、2016年から、パートナー国のコンソーシアム及びその加盟館に代わって出版社とOA契約の交渉を行っています。2024末までに、14のOA契約に関する交渉が行われました。記事では、2024年には35のEIFLパートナー国の著者による論文2,958件がOAで出版され、2023年から69%増加したことなど、EIFLの交渉によるOA契約の効果について紹介されています。

EIFL agreements increase publishing in open access(EIFL, 2025/8/27)
https://www.eifl.net/news/eifl-agreements-increase-publishng-open-access

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日本図書館協会目録委員会、「2025年目録の作成と提供に関する調査」を実施中

2025年9月1日から10月15日まで、日本図書館協会(JLA)目録委員会が、「2025年目録の作成と提供に関する調査」を実施しています。

目録委員会では、目録業務の動向を把握するために、1964年以降6回にわたり調査を行ってきたとあります。2010年に実施した前回の調査以降の動向・経年変化を把握するため、2025年の調査を実施するとしています。

調査報告は目録委員会のページ等に掲載される予定です。

「2025年目録の作成と提供に関する調査」を実施しています(JLA, 2025/9/1)
https://www.jla.or.jp/2025/09/01/2025-09-01/

2025年目録の作成と提供に関する調査(JLA、2025/8/31)
https://www.jla.or.jp/committees/mokuroku/research2025/

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大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、転換契約に関するアンケート調査結果(2025年度・公開版)を公開

2025年8月28日、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)が、転換契約に関するアンケート調査結果(2025年度・公開版)を公開しました。

JUSTICE会員館における転換契約の状況を正確に把握し、会員館の契約や運用に資するとともに、日本における転換契約の評価を行うことを目的とした調査で、JUSTICE全会員館559館を対象に、2025年5月26日から7月9日まで実施されました。回答は420館から得られ、一部調査結果が抜粋されて公開されています。調査結果全体は会員館限定で公開されています。

転換契約に関するアンケート調査結果(2025年度・公開版)を公開しました(JUSTICE, 2025/8/28)
https://contents.nii.ac.jp/justice/news/20250828

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文部科学省、令和8年度の概算要求等の発表資料一覧を公表

2025年8月29日、文部科学省が令和8年度の同省の概算要求に関する発表資料の一覧をウェブサイト上で公表しました。

文部科学省の概算要求では、「生涯を通じた障害者の学びの推進」「読書活動総合推進事業」「社会教育デジタル活用等推進事業」において図書館に言及されています。

新着情報 最新1か月分の一覧
https://www.mext.go.jp/b_menu/news/index.html
※2025年8月29日付けで「令和8年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧」とあります。

令和8年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00003.html

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国立公文書館、「アーキビストの倫理綱領」(Code of Ethics, International Council on Archives)の日本語版を公開

独立行政法人国立公文書館が「アーキビストの倫理綱領」(Code of Ethics, International Council on Archives)の日本語版をウェブサイト上で公開しました。

国際公文書館会議(ICA)が策定した倫理綱領で、1996年、北京で開催されたICAの第13回総会において採択されたものです。

「アーキビストの倫理綱領(Code of Ethics, International Council on Archives)」の日本語版を公開しました(国立公文書館)
https://www.archives.go.jp/news/20250829.html

法規・標準(国立公文書館 アーカイブズ・シンクタンク)
https://www.archives.go.jp/thinktank/standards/index.html

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エストニア国立図書館、本館の改修工事が完了:2027年5月に一般公開予定

エストニア国立図書館は、2021年末から一時閉館していた本館の改修工事が9月1日をもって完了すると発表しました。これに伴い、仮設図書館として運用されてきた施設が9月3日で閉鎖され、本館への移転作業が開始されるとあります。

発表によると、新たな本館にはイベント開催のためのホール、テラス、円形劇場等が新設され、創作、学習、余暇の活動等に利用できる公共スペースが拡張されました。2027年5月に一般公開予定ですが、一部のスペースは2025年秋から先行オープンするとしています。

National Library of Estonia moves back(National Library of Estonia, 2025/8/28)
https://www.rara.ee/en/news/national-library-of-estonia-moves-back/

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