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生成AIによる職業のステレオタイプ化:司書はどんな人?(文献紹介)

2025年8月16日付けでJournal of Librarianship and Information Science誌に、生成AIによる職業のステレオタイプ化についての論文“What do librarians look like? Stereotyping of a profession by generative Ai”が掲載されています。著者は、オーストラリアのチャールズ・スタート大学のDirk HR Spennemann氏とKay Oddone氏です。

学校図書館、公共図書館、大学図書館という異なる館種の設定において、ChatGPTによって生成された司書の画像に、性別、民族、年齢等の偏りがあるかどうかを調査しています。

主な調査結果として、生成された司書の多くが白人として描かれており、性別は男性が多く、特に大学図書館では女性の描写はわずか6%にとどまったことや、公共・大学図書館では高齢の司書が多く描かれていたことなどを挙げています。さらに、この結果を踏まえて、図書館員という専門職における差別や不平等の固定化を避けるため、AIが生成した視覚表現を用いる際の慎重な検討の必要性を指摘しています。

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琉球大学附属図書館、第19回琉球大学びぶりお文学賞への応募作品を募集中:関連イベント「書き出すための第一歩のお手伝い!」も実施

2025年10月22日まで、琉球大学附属図書館(沖縄県中頭郡西原町)が第19回琉球大学びぶりお文学賞への応募作品を募集しています。

沖縄からの新たな文学の創成をめざして創設されたもので、2025年度で第19回を迎えます。応募資格は、沖縄県内に本部が所在する大学の学生及び大学院生です。

「書き出すための第一歩のお手伝い!」をテーマとした関連イベントも企画されており、応募資格のある人を対象とした小説・詩の創作講座が実施されたほか、これまでの受賞作や小説・詩の執筆に関する図書等を紹介する企画展「書き出すための第一歩のお手伝い!」展が9月29日まで開催されています。

【10/22 17時〆切】第19回琉球大学びぶりお文学賞の募集について(琉球大学附属図書館, 2025/8/10)
https://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/info/event/17847/

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国際図書館連盟(IFLA)、「グリーンライブラリー賞/グリーンライブラリープロジェクト賞2025」の授賞館を発表

2025年8月20日、国際図書館連盟(IFLA)の環境・持続可能性と図書館に関する分科会(Environment, Sustainability and Libraries Section:ENSULIB)が、「グリーンライブラリー賞/グリーンライブラリープロジェクト賞2025」の授賞館を発表しました。

同賞は、環境や持続可能性に配慮した取組を行っている図書館であるグリーンライブラリーや、グリーンライブラリーに関する優れたプロジェクトを行っている図書館を表彰するものです。

各賞の授賞館は以下のとおりです。

〇グリーンライブラリー賞
1位:James Baldwin Library(フランス)
2位:Shenzhen Yantian Library(中国)
3位:Nashville Public Library(米国)

〇グリーンライブラリープロジェクト賞
1位:Thammasat University Library(タイ)
2位:Maison de l’Environnement(フランス)
3位:Manuel Viegas Guerreiro Foundation(ポルトガル)

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【イベント】東北学院大学図書館、セミナー「AIによって図書館業務はどう変わるか~レファレンスサービスに関連して」(9/5・宮城県)

2025年9月5日、東北学院大学図書館が、セミナー「AIによって図書館業務はどう変わるか~レファレンスサービスに関連して」を、東北学院大学土樋キャンパス(宮城県仙台市)において開催します。

図書館における人工知能(AI)活用の可能性を四象限モデルで整理し、AIがどこで力を発揮し得るかを検討するとしており、レファレンスサービスにおけるAIの可能性と限界、生成AIと検索との違いを考察し、大学図書館の今後の方向性を探るとあります。

講師は、高橋菜奈子氏(新潟大学学術情報部長)です。

対象は、図書館業務に従事している図書館司書、教職員など、AIと図書館業務に関心のある人(学内・学外を問わない)です。

定員は20人(先着順)で、事前申込みが必要です。

セミナー「AIによって図書館業務はどう変わるか」のご案内
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/library/post-6553/

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Choice、大学図書館のためのAIツールに関する新たなブログシリーズを開始

2025年8月13日、米国大学・研究図書館協会(ACRL)の出版ユニットであるChoiceが、カナダ・オンタリオ州の大学図書館コンソーシアムであるOntario Council of University Libraries(OCUL)との協力により、大学図書館のためのAIツールに関する新たなブログシリーズ“AI Tools for Academic Libraries”を開始すると発表しました。

OCULの人工知能・機械学習プログラムのマネジャーを務めるKari D. Weaver氏が主導するもので、OCULのブログシリーズが、図書館に関するテクノロジーの実践的な情報を提供するChoiceのウェブサイト“LibTech Insights”に掲載されるとあります。

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機関リポジトリへの研究成果の登録を呼び掛ける“Bring Out Your Dead!”コンペティション:オーストラリアの大学図書館の事例(文献紹介)

2025年8月4日付けで、国際図書館連盟(IFLA)が刊行する査読誌“IFLA Journal”に、オーストラリアのジェームズクック大学図書館におけるグリーンオープンアクセス(OA)の取組に焦点を当てた記事“Unlocking the repository: A strategy for increasing the uptake of green open access”が掲載されています。著者はジェームズクック大学図書館のJayshree Mamtora氏等です。

同館では、研究者による研究成果の機関リポジトリへの登録を促進するため、過去五年間に出版された非OA論文の著者最終稿を図書館に提出するよう研究者に呼び掛け、最も多く提出した者を表彰する“Bring Out Your Dead!”コンペティションを2024年に実施しました。

記事では、コンペティションの成果や意義、更なる発展に向けた課題等について報告されています。

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九州大学附属図書館、絵図・古地図・廣瀬文庫本『筑前名所図会』等を「九大コレクション」で公開

2025年7月28日、九州大学附属図書館は、昨年度までにデジタル化した絵図・古地図約80点をデジタルアーカイブ「九大コレクション」で公開しました。

今回公開した資料には、廣瀬文庫本『筑前名所図会』等の福岡・九州の絵図・古地図を中心に、様々な時代の世界観・蝦夷地観を反映した世界図や蝦夷図も含まれるとしています。

絵図・古地図及び廣瀬文庫本『筑前名所図会』等をデジタル公開しました(九州大学附属図書館, 2025/7/28)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/102387

参考:
九州大学附属図書館、台湾国家図書館との協同プロジェクトによりデジタル化した漢籍240冊の画像を公開 [2025年05月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/252852

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英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、加盟館におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進捗状況に関する調査結果を公開

2025年7月10日付けで、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が、加盟館におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進捗状況に関する調査結果をリポジトリZenodo上で公開しました。

RLUKの発表によると、同調査は2023年夏から秋にかけて実施され、加盟館の約半数が参加しました。結果の分析に当たっては生成AIサービスChatGPTが活用されたとあります。

Revisiting the RLUK Digital Shift Maturity Survey: Reflections on the Use of ChatGPT 4o(RLUK)
https://www.rluk.ac.uk/revisiting-the-rluk-digital-shift-maturity-survey-reflections-on-the-use-of-chatgpt-4o/

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HathiTrust、デジタル化資料のメタデータ等から成るデータセット“Extracted Features”のバージョン2.5を公開

2025年7月24日、米国の大学図書館等による共同リポジトリ事業であるHathiTrustが、デジタル化資料のメタデータ等から成るデータセット“Extracted Features”のバージョン2.5を公開しました。

同データセットは、HathiTrust Digital Library上のデジタル化資料約1,870万件分のメタデータや、資料の各ページに含まれる語数、行数、品詞等に関する定量的な情報を提供するものです。バージョン2.5では、2020年に公開されたバージョン2.0以来の大規模な更新が行われたとあります。

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学術図書館員のキャリアパスが与える影響(文献紹介)

Library & Information Science Research誌の47巻3号に、米国の学術図書館員のキャリアパスが与える影響に関する記事“The career pathways of academic librarians: A kaleidoscope career model analysis of faculty identity and institutional engagement”が掲載されています。著者は、米・アビリーン・クリスチャン大学のJames A. Wiser氏です。

学術図書館員としてのキャリアがファーストキャリアかセカンドキャリアかによって、教員としての地位、テニュア(終身雇用)プロセス、機関への忠誠心等にどのように影響するかが考究されています。類似する二つの研究大学の図書館員18人(各大学9人ずつ)を対象に、半構造化インタビューを用いて実体験が調査され、その分析結果がまとめられています。

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データサイエンス分野における図書館の役割について(文献紹介)

2025年7月19日付けで、査読付きオープンアクセス誌Journal of eScience Librarianshipの14巻1号に、データサイエンス分野における図書館の役割に関する論文“Data Please!: Expanding the Role of Libraries in Data Science through Digital Scholarship”が掲載されています。著者は、米・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のHalie Kerns氏です。

大学図書館は、データサイエンスの活動を支援する上で有利な立場にあるとし、STEM及び関連分野の同校教職員と大学院生26人にインタビューを行い、図書館が提供すべき支援やサービスについて調査しています。調査の結果、データサイエンス分野において図書館は重要なハブとしての役割を担っているとし、今後強化しうる主な領域として、アウトリーチ活動による学際的連携の促進、校内のニーズに合ったデータサイエンスのプログラミングの開発、データ集約型研究のための物理的及びデジタルなインフラの構築の三つを挙げています。

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九州大学、「前近代日本―アジア関係資料デジタルアーカイブ」を公開

2025年7月25日、九州大学が「前近代日本―アジア関係資料デジタルアーカイブ」を公開しました。

同大学の人文科学研究院と附属図書館が協働で構築したデジタルアーカイブです。同大学が所蔵する歴史資料の中から、近代以前(19世紀後半まで)の日本とアジアとの交流、アジアの海を媒介とした世界との交流を示す資料の一部を紹介するもので、資料の画像とテキストが対照表示され、様々な角度から資料を検索できる点が特色であるとされます。

翻刻テキストの一部には、市民協働型の外部プロジェクト「みんなで翻刻―翻刻!九州大学の書物たち―」の成果が活用されているとあります。

公開!「前近代日本―アジア関係資料デジタルアーカイブ」(九州大学附属図書館, 2025/7/25)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/101556

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オーストラリアとニュージーランドの大学、オープンアクセス出版に係る大手出版社との交渉についての共同声明を発表

2025年7月25日付けで、オーストラレーシア大学図書館員協議会(Council of Australasian University Librarians: CAUL)と、大学連盟であるUniversities Australia及びUniversities New Zealandが連名で、オープンアクセス(OA)出版に係る大手出版社との交渉についての共同声明を発表しました。

オーストラリアとニュージーランドの大学は、Elsevier社、Springer Nature社、Wiley社及びTaylor & Francis社とのOA学術出版についての今後の交渉において、統一した立場をとることが表明されています。

大学予算の厳しさが増し、OA出版のコスト上昇への懸念が高まる中、より持続可能で、透明性が高く、公平であり、研究への公的投資に対するより良い価値を提供できるような新たな契約を締結することを目指すと述べられています。

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九州工業大学附属図書館、蔵書検索された資料を請求記号が隣接する資料とともに表示できる仮想書架機能を追加

2025年7月17日、九州工業大学附属図書館は、蔵書検索された資料を請求記号が隣接する資料とともに表示できる仮想書架機能を追加したと発表しました。

類似の本が確認できる「仮想書架機能」の追加について(九州工業大学附属図書館, 2025/7/17)
https://www.lib.kyutech.ac.jp/library/ja/node/1887

参考:
E2772 – 読書案内「新書マップ4D」の開発経緯とサービス概要
カレントアウェアネス-E No.497 2025.02.27
https://current.ndl.go.jp/e2772

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欧州研究図書館協会(LIBER)、研究図書館員のためのデジタル・スカラシップとデータサイエンスに関するガイドを公開

欧州研究図書館協会(LIBER)が発行するニュースレター(2025年7月号)で、研究図書館員のためのデジタル・スカラシップとデータサイエンスに関するガイド“Digital Scholarship & Data Science Topic Guides for Library Professionals”の公開について報じられています。

同ガイドはLIBERのワーキンググループDigital Scholarship & Digital Cultural Heritage(DSDCH)とData Science in Libraries(DSLib)の協働で作成されたもので、「自動文字認識」「データ可視化」「IIIF」等のトピックごとに教材や参考文献等がまとめられています。

LIBER INSIDER – July 2025
https://mailchi.mp/libereurope/liber-insider-july-2025?e=d4b2ce0b76
※ニュースレター(2025年7月号)です。

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【イベント】第40回医学情報サービス研究大会(8/23-24・北海道)

2025年8月23日と24日に、第40回医学情報サービス研究大会が札幌医科大学記念ホール(北海道札幌市)で開催されます。

プログラムによると、大会では11件の口頭発表、6件のポスターセッションのほか、プロダクトレビュー等が予定されています。参加に当たっては参加費と事前申込みが必要です。

第40回医学情報サービス研究大会
https://plaza.umin.ac.jp/mis/40/index.html

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Library Publishing Coalition(LPC)、図書館出版に関する主要な研究課題を示した“Library Publishing Research Agenda”の第2版を公開

2025年7月17日、図書館による出版活動を進める大学図書館等によるイニシアティブLibrary Publishing Coalition(LPC)が、図書館出版に関する主要な研究課題を示した“Library Publishing Research Agenda”の第2版をウェブサイト上で公開しました。

図書館出版に関する実践を強化するために更なる研究が求められる領域を示したもので、2020年に初版が公開されました。「評価」「アクセシビリティ」「査読」等の六つのトピックに沿って、研究課題や調査を進めるためのリソース等がまとめられています。

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図書館による貸出履歴の保持に対する利用者の認識(文献紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)刊行のオープンアクセス誌“College & Research Libraries”(C&RL)の86巻4号に、図書館による貸出履歴の保持に対する利用者の認識等を調査した記事“Help or Hazard? Patrons’ Checkout History Retention Choices and Relations to Trust and Campus Role”が掲載されています。著者は、米・ミシガン大学図書館のCraig E. Smith氏等です。

ミシガン大学図書館では利用者とその貸出履歴に関するデータの紐づけを行っており、利用者は図書館による貸出履歴の保持に同意するかを選択可能となっています。

記事では、同館の利用者588人を対象として、貸出履歴データの保持に同意するかの選択とその理由、データプライバシーに対する意識との関係性等を調査した結果が述べられています。主な結果として、全体の90%以上が貸出履歴の保持に同意したこと、保持に同意したグループは同意しなかったグループと比較して、プライバシーへの懸念が低く、大学図書館に対する信頼度が比較的高い傾向にあったこと等が挙げられています。

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論文のオープンアクセス出版の適格性を決定するタイミングについて(記事紹介)

2025年7月15日付けで、米国の非営利出版者Annual Reviewsによる世界の図書館員、出版者、ベンダー向けのオンライン雑誌“Katina”に、論文のオープンアクセス(OA)出版の適格性を決定するタイミングに関する記事“For Fairer Open Access Deals, Base Article Eligibility on Submission Date”が掲載されています。著者は、米・ミネソタ大学図書館のSunshine Carter氏等です。

Read & Publish契約では、論文にOA出版の資格があるか否かを出版者が決定するタイミングは、論文の投稿時点ではなくアクセプトされた時点であるとしています。しかし、査読に時間を要する等の理由により出版までの期間が長期化した場合、著者にとって見通しが立たないほか、図書館にとっても出版者との契約更新や予算管理等の点で問題が生じ得ることなどから、全ての論文がアクセプトされるとは限らないものの、論文のOA出版が投稿時点で保証されるようにすることの利を説いています。

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米・ミシシッピ州立大学図書館の歴史(文献紹介)

2025年7月11日付けで、図書館員の実践等に焦点を当てるオープンアクセス誌“The Journal of Creative Library Practice”に米・ミシシッピ州立大学図書館の歴史に関する記事“Shaking Up the Shelves: Navigating Change at Mississippi State University Libraries”が掲載されています。著者は、同館司書のKC New氏等です。

記事では、ミシシッピ州立大学図書館の約150年にのぼる歴史について、時代の変化に応じたレファレンスサービスの変容や近年の館内の様子などに触れつつ紹介されています。

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