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英・オックスフォード大学出版局、Karger社の買収合意を発表

2025年11月4日、英国のオックスフォード大学出版局(OUP)が、出版社Karger Publishersの買収に関する最終合意書を締結したことを発表しました。

Karger Publishersは、スイスのバーゼルに本社を置きグローバルに活動を展開している、医療・健康科学分野に特化した出版社です。

買収手続は、2025年12月に完了する見込みとされています。

Oxford University Press announces agreement to acquire Karger(OUP, 2025/11/4)
https://corp.oup.com/news/oxford-university-press-announces-agreement-to-acquire-karger/

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『国立国会図書館月報』775号刊行:新連載「シリーズ 国立国会図書館のウラ側」の第1回として「ギャラリー展示のできるまで」を掲載

国立国会図書館(NDL)は、『国立国会図書館月報』775号(2025年11月)を刊行しました。

今号から、NDLの業務のバックヤードを写真等も交えて紹介する新連載「シリーズ 国立国会図書館のウラ側」が始まりました。その第1回として、「ギャラリー展示のできるまで」を掲載しています。東京本館で実施しているギャラリー展示について、華やかな展示会の裏側を支えるプロセスを紹介しています。

国立国会図書館月報775号(2025年11月) [PDF:5.4MB]
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_14499429_po_geppo2511.pdf?contentNo=1

国立国会図書館月報
https://www.ndl.go.jp/jp/publication/geppo/index.html

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信州大学附属図書館、「柳田邦男文庫」を開設

2025年10月17日付けで、信州大学附属図書館のウェブサイトにおいて「柳田邦男文庫」開設に関するお知らせが掲載されました。

信州大学は、2023年10月に、ノンフィクション作家・柳田邦男氏から約1万5,000冊の蔵書を受贈しました。その中には、医療問題、情報技術と人間との関係、死生観など、多様なテーマで作品を執筆する際に柳田氏が参考資料として実際に使用した資料が多数含まれているとあります。また、書き込みがそのまま残されているものもあり、作品が生まれるまでの思考の過程を追うことができる貴重な資料となっているとしています。

同文庫は、11月2日から中央図書館(長野県松本市)で公開されています。自由に手に取って閲覧することができるほか、貸出しも可能とあります(学外の人の貸出しに当たっては要利用登録)。

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Sage社、図書館司書や編集者といった公共の利益のために活動する“public-good curators”の重要性に焦点を当てたガイドを公開

2025年10月29日、Sage社が、図書館司書、編集者等の公共の利益のために活動する“public-good curators”の重要性に焦点を当てたガイドを公開したと発表しました。

ガイドでは、“public-good curators”を「情報の出所や評価方法について透明性を保つことにコミットしている個人」と定義し、信頼できる答えに至る道筋を守りつつ、適切な問いかけを促すことで、複雑な情報環境を社会が上手く乗り越える手助けをしているとしています。研究専門家、編集者、研究公正責任者、図書館司書、専門ジャーナリスト等が“public-good curators”に該当するとされています。

ガイドでは、“public-good curators”の役割の重要性が訴えられているほか、その活動を支える基本的な原則等が提示されています。

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欧州委員会、研究セキュリティ強化のための新たな措置を発表

2025年10月28日から30日までベルギーのブリュッセルで開催された第1回欧州研究セキュリティフラグシップ会議において、EUにおける研究セキュリティ強化のための新たな措置が発表されました。

スタートアップ・研究・イノベーション担当欧州委員Ekaterina Zaharieva氏が、近々提出される欧州委員会の欧州研究領域法(European Research Area Act)案に研究セキュリティに関する内容を盛り込むことを約束したとあります。

また、同会議では、次のようなEUの新たな取組についても取り上げられたとあります。

・欧州委員会内における新たな欧州研究セキュリティに関する欧州専門家センター(European Centre of Expertise on Research Security)の設立
・国際協力のリスク評価を支援するデュー・ディリジェンス・プラットフォームの構築
・加盟国が研究実施機関のレジリエンスを検証するための新たな共通手法

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東京文化財研究所、ニュウハクシミが確認された博物館等に対して防除用キットの無償提供を開始

2025年11月4日、独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所が、文化財害虫のニュウハクシミが確認された博物館等に対して防除用キットの無償提供を開始すると発表しました。

同取組は、ニュウハクシミが2022年に国内で初めて生息が確認され、当時5都道県だった分布域が、2025年9月末時点で19都道府県まで拡大しており、全国的に対応が求められている状況にあることを踏まえて開始するものとあります。

キットの申込みは、同日より、東京文化財研究所ウェブサイト内の特設ページから受け付けるとしています。

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ドイツの図書館におけるボランティア活動の概況(文献紹介)

2025年10月28日付けで、ドイツの図書館関係雑誌『BuB: Forum Bibliothek und Information』のウェブサイトに、ドイツの公共図書館におけるボランティア活動を概観する記事が掲載されています。

ドイツでは、小規模自治体や教会等が設置する小さな公共図書館は伝統的にボランティアによって運営されているケースが多く、ボランティアの人数は約4万9,000人に達し、公共図書館でフルタイムで働く職員数の4倍以上に上るなどとされています。また、図書館友の会のような団体が全国で550以上存在することも紹介されています。

Ehrenamtliches Engagement in Bibliotheken(BuB, 2025/10/28)
https://www.b-u-b.de/nachrichten/praxis/post/freiwilliges-ehrenamtliches-engagement-in-bibliotheken

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2025年11月1日にリニューアルオープンした未来屋書店板橋店に産学官の連携による児童書売り場が誕生

2025年11月1日、未来屋書店板橋店がリニューアルオープンしました。産学官の連携により、子どものための児童書売り場が設けられています。

「絵本のまち板橋」を区のブランドとして推進する東京都板橋区と、株式会社未来屋書店、学校法人女子美術大学による産学官連携プロジェクトとして、児童書売り場「みらいやの森」が設置されました。「みらいやの森」では、絵本・児童読み物・学習書を中心に、子どもに学びと読書の楽しさを伝える空間を提供するとあります。

店舗内装は、未来屋書店と女子美術大学により共同開発されました。未来屋書店・女子美術大学・板橋区役所の三者で意見交換を重ね、地域の物語が空間に織り込まれており、区民にとって居心地の良い、親しみやすい書店を創造しているとあります。

絵本のまち板橋に「本がもっと好きになる」子どものための児童書売場が誕生!未来屋書店×女子美術大学×板橋区による産学官連携プロジェクト!(PR Times(東京都板橋区), 2025/10/17)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000252.000129038.html

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知的財産戦略本部、「クリエイター・コンテンツ関係者支援ポータル(Japan Creative Portal)」を公開

2025年10月31日、政府の知的財産戦略本部が「クリエイター・コンテンツ関係者支援ポータル(Japan Creative Portal)」を公開しました。

内閣府を始めとする関係省庁の連携の下、クリエイターに向けた各種支援制度や施策の情報をまとめたポータルサイトです。各省庁が提供する支援策を「分野別(ジャンル)」「目的別(サポート内容)」「キーワード」に整理し、欲しい情報へ簡単にアクセスできるよう構成されているとあります。

知的財産戦略本部(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/index.html
※「お知らせ」欄に2025年10月31日付けで、「クリエイター・コンテンツ関係者支援ポータル(Japan Creative Portal)を公開しました。」とあります。

Japan Creative Portal
https://j-creative.go.jp/

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【イベント】日本出版学会2025年度秋季研究発表会(11/29・大阪府)

2025年11月29日、日本出版学会2025年度秋季研究発表会が、追手門学院大学総持寺キャンパス(大阪府)において開催されます。

参加費は、会員1,000円、一般2,000円、学部生無料(学生証提示者のみ)です。参加には事前の申込みが必要です。

当日の主なプログラムは次のとおりです。

●個人研究発表
・「紙書籍を電子化した教育機関向け電子書籍の価格設定について」
 伊藤民雄氏(実践女子大学)

●ワークショップ
・「戦間期におけるパンフレット出版」
 司会者:新藤雄介氏(早稲田大学教育・総合科学学術院)
 問題提起者:土屋礼子氏(早稲田大学政治経済学術院)
 討論者:大尾侑子氏(東京経済大学コミュニケーション学部)

・「公共図書館の選書を考える」
 司会者:本多悟氏(江戸川大学)
 問題提起者:植村八潮氏(専修大学)
 討論者:伊藤民雄氏、嶋田学氏(京都橘大学)、吉井潤氏(都留文科大学)

・「出版学は書店経営支援をどうとらえるのか」
 司会者:中村健氏(大阪公立大学)
 問題提起者:福嶋聡氏(ジュンク堂書店)
 討論者:湯浅俊彦氏(追手門学院大学)

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オープンアクセス・イニシアチブの1年を振り返る(記事紹介)

学術情報流通に関連した話題を提供する学術出版協会Society for Scholarly Publishing(SSP)が運営するブログ“The Scholarly Kitchen”に、2025年10月22日付けで、記事“The First Year of an Open Access Initiative in Review”が掲載されています。著者は、米国ペンシルバニア州のドレクセル大学図書館(Drexel University Libraries:DUL)のディスカバリー・ライブラリアンであるHannha Purtymun氏です。

2024年1月、DULは、同大学に所属する研究者のオープンアクセス出版への参加を促進するため、出版者と複数の転換契約(transformative agreement)を行うオープンアクセス・イニシアチブを開始しました。

イニシアチブの開始から1年間で、参加率は比較的高く、コスト削減効果は当初の予想を上回り、他のほとんどの大学よりも高い水準となったとしています。また、2025年はアウトリーチ活動に重点を置き、出版者を拡大したところ、参加率とコスト削減効果が向上しているとしています。

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国際図書館連盟(IFLA)、LGBTQ+に関する課題を扱う分科会“IFLA LGBTQ+ Matters Section”を設置

2025年10月27日、国際図書館連盟(IFLA)は、LGBTQ+に関する課題を扱う分科会“IFLA LGBTQ+ Matters Section”を設置したことを発表しました。同分科会は、LGBTQユーザに関する研究グループ“IFLA LGBTQ Users Special Interest Group (SIG)”から発展したものです。これは、図書館界全体における包摂性、公平性、多様性の強化に向けたIFLAの継続的な取組における重要な一歩となるとしています。

SIGのメンバーがまとめた、分科会の主な目的は次のとおりです。

・LGBTQ+の利用者と職員を支援する包括的な図書館サービス、コレクション、職場環境の促進
・専門能力開発と知識交換の奨励
・全ての人の平等と情報へのアクセスを推進するための、他のIFLA分科会や国際的なパートナーとの協力

来年度の優先課題として、他の分科会との連携構築、リソースやウェビナーの開発、IFLAのプログラムや活動全体においてLGBTQ+の視点を継続的に明示することを挙げています。

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沖縄県公文書館、特設サイト「沖縄戦を聴く 証言記録1967-1971」を公開

2025年10月28日、沖縄県公文書館が戦後80周年記念事業として、特設サイト「沖縄戦を聴く 証言記録1967-1971」を公開しました。

同館が所蔵する宮城聰文書「沖縄戦関係証言記録」シリーズの音声記録をデジタル化した331件(原資料の録音テープ169本)のうち、関係者の承諾が得られた240件を順次インターネットで公開していくとあります。

沖縄県公文書館
https://www.archives.pref.okinawa.jp/
※2025年10月28日付けの「公文書館通信」で、「[特設サイトのご案内]沖縄戦を聴く 証言記録1967-1971 公開しました。」とあります。

[特設サイトのご案内]沖縄戦を聴く 証言記録1967-1971 公開しました。(沖縄県公文書館, 2025//)
https://www.archives.pref.okinawa.jp/news/business_diary/153903

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韓国国立中央図書館(NLK)と伊・ローマ国立中央図書館、図書館分野の交流及び協力のための覚書を締結

2025年10月24日、韓国国立中央図書館(NLK)と伊・ローマ国立中央図書館が、図書館分野の交流及び協力のための覚書(MOU)を締結しました。NLKの10月27日付けのウェブサイトで発表されています。

両機関はこの協定を通じて、図書館分野における情報や経験の共有、職員の交流及び相互訪問、出版物の交換、知識資源及び情報の共有、展示や文化プログラムにおける協力、その他の相互協力など、多様な分野で協力を行うことを確認したとされます。

국립중앙도서관, 이탈리아 로마국립중앙도서관과 양해각서(MOU) 체결(韓国・国立中央図書館, 2025/10/27)
https://www.nl.go.kr/NL/contents/N50603000000.do?schM=view&page=1&viewCount=9&id=54128

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【イベント】日本図書館研究会第407回研究例会「アメリカの図書館を取り巻く状況について~トランプ政権第二期初期にハワイで見たこと」(12/5・オンライン)

2025年12月5日、日本図書館研究会が、第407回研究例会「アメリカの図書館を取り巻く状況について~トランプ政権第二期初期にハワイで見たこと」をオンラインで開催します。

水沼友宏氏(桃山学院大学)による報告です。同氏が2024年度下半期から2025年度上半期にかけて渡米した際に見聞した、同国の図書館情報学研究教育の場や図書館の現場の状況や、米国図書館協会(ALA)の知的自由ニュースアーカイブから得た関連情報を紹介するとあります。

参加に当たっては事前申込みが必要です。

日本図書館研究会 第407回研究例会(日本図書館研究会)
https://www.nal-lib.jp/407reikai/

参考:
米国図書館協会(ALA)、図書館関係者等が指導者や政策立案者に働き掛けるキャンペーン“Show Up for Our Libraries”を開始 [2025年02月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/239478

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