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欧州等の書店協会を代表する非営利団体European and International Booksellers Federation(EIBF)、AIの倫理的かつ責任ある利用に関する立場と指針を表明した文書を公表

2025年10月31日、欧州等の書店協会を代表する非営利団体European and International Booksellers Federation(EIBF)が、AIの倫理的かつ責任ある利用に関するEIBFとしての立場と指針を表明した文書“Charter on Artificial Intelligence”を公表しました。

AIに関して書籍業界全体が重大な転換期を迎えるなか、同文書は、AIがもたらす機会とリスクを認め、知的財産の保護と公正かつ持続可能な書籍市場を保障するための、明確でバランスのとれた枠組みの必要性を確認するものとされています。

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ダイヤモンドオープンアクセスに関わる政策立案者、資金提供者等が参加する国際フォーラム“Diamond Open Access Policy Forum”が開催

2025年10月31日付けのSPARC Europeのニュース記事で、10月29日にオンラインで開催された、ダイヤモンドOAに関わる政策立案者、資金提供者等が参加する国際フォーラム“Diamond Open Access Policy Forum”について紹介されています。

欧州連合(EU)の資金提供を受けて、アフリカ、欧州、ラテンアメリカの3地域の研究コミュニティが連携してダイヤモンドOA出版の強化に取り組むALMASIプロジェクトの一環として、プロジェクトパートナーであるSPARC Europeが主催したものです。

フォーラムでは、ALMASIが対象とする3地域におけるダイヤモンドOA出版の状況が共有されるとともに、各地域における政策や資金調達の仕組み等が議論されました。フォーラムの発表資料は、ALMASIのウェブサイト上で公開されています。

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英国図書館(BL)のRebecca Lawrence館長が退任

2025年11月4日、英国図書館(BL)理事会がRebecca Lawrence館長の退任を発表しました。

Jeremy Silver氏が当面の間、暫定館長(Interim Chief Executive)の職務を担うとあります。発表では、同氏のこれまでの経歴として、デジタルメディア、没入型技術、音楽、AI・機械学習の分野でグローバルな経歴を持ち、2019年からBL理事会のメンバーを務めてきたこと等が紹介されています。

British Library Board statement(BL, 2025/11/4)
https://www.bl.uk/about/press/releases/british-library-board-statement

参考:
英国図書館(BL)次期館長はRebecca Lawrence氏に [2024年11月29日]
https://current.ndl.go.jp/car/230713

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長崎県内の大学図書館による合同キャンペーン“Library Lovers’ Nagasaki 2025”が開催中

2025年10月27日から11月21日まで、長崎県内の大学図書館による合同キャンペーン“Library Lovers’ Nagasaki 2025”が開催されています。

長崎の大学図書館を盛り上げるために、長崎県内の国公私立大学図書館が合同で毎年実施しているもので、2025年で10周年となります。期間中には、県内の参加館でクイズラリー、展示等のイベントが開催されています。

Library Lovers’ Nagasaki 2025年度
https://libraryloversnagasaki.blog.jp/archives/cat_547762.html

Library Lovers’ Nagasaki 2025(長崎大学附属図書館)
https://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/event/11910/

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Clarivate社、図書館の運営やサービスへのAIの導入状況を調査したレポート“The Pulse of the Library 2025”を公開

2025年10月30日、Clarivate社が、図書館の運営やサービスへの人工知能(AI)の導入状況を調査したレポート“The Pulse of the Library 2025”を公開しました。

2024年版に次ぐ2度目の調査です。今回は2025年6⽉19日から7⽉14日にかけてオンラインアンケート調査が実施され、世界中の⼤学図書館、公共図書館等から得られた2,032件の回答について分析されました。また、31件のインタビュー調査も実施されました。

調査の結果、67%以上の図書館がAIの導入を実施又は計画中であると回答し、2024年の63%から増加しました。公共図書館に関しては、54%でAIの活用を計画していない又は積極的な取組がなされていないことなどが分かったとしています。

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米国国立衛生研究所(NIH)のパブリックアクセス方針:実施上の問題点(記事紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の科学技術部会(Science and Technology Section)STEMM図書館リソース委員会(STEMM Librarianship Resources Committee)が運営するブログ“Inside Science Resources”に、2025年10月24日付けで、米国国立衛生研究所(NIH)のパブリックアクセス方針の実施上の問題点に関する記事“NIH Public Access Policy: Implementation issues”が掲載されています。著者は、米・カリフォルニア大学バークレー校の図書館員Elliott Smith氏です。

2025年4月30日、NIHの新たなパブリックアクセス方針である“NIH Public Access Policy 2024”が、当初の予定より6か月早い2025年7月1日に発効すると発表されたことにより、著者と出版社に与えられた準備期間はわずか2か月となりました。記事では、パブリックアクセス方針の発効が前倒しとなったことにより生じている問題が取り上げられています。

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神戸「本」の文化振興プロジェクト実行委員会、市内22書店との連携企画「本とのひととき」フェアを実施

2025年10月1日から11月中旬まで、神戸市立中央図書館や神戸市内の書店等から成る「神戸「本」の文化振興プロジェクト実行委員会」が、市内22書店との連携企画「本とのひととき」フェアを実施しています。

普段あまり本を読まない人にも書店に足を運んでもらい読書時間を増やしてもらうことを目指す、「本とのひととき」をテーマとした、書店における販売促進イベントとあります。

市内の5企業が制作した、読書タイムに合ったグッズが市内22店舗の書店で販売されるほか、そのグッズと合わせて読んでほしい書店員おすすめの本も紹介されます。また、フェア期間中、対象商品と本を同時購入した人には、市内在住のイラストレーターによるオリジナルデザインのブックカバーもプレゼントされるとあります。

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東京都立多摩図書館、東京マガジンバンク企画展示「アートのページをめくる―芸術と雑誌展―」を開催

2025年11月21日から2026年2月19日まで、東京都立多摩図書館(国分寺市)が、東京マガジンバンク企画展示「アートのページをめくる―芸術と雑誌展―」を開催します。

「雑誌で広がるアートの世界」をコンセプトに、同館所蔵の芸術関連雑誌を集めた企画展示です。絵画・工芸・グラフィックアートなど各分野の専門誌や特集号に加え、時代を彩った展覧会の特集記事などが展示されます。多様な雑誌を通じて、展覧会とは異なるアートの奥深さを楽しんでほしいとあります。

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出版社と関連団体、「生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明」を発表

出版17社と一般社団法人日本動画協会、公益社団法人日本漫画家協会が、2025年10月31日付けで「生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明」を発表しました。

生成AIを用いて生成された画像・動画が公開され、その中に著名な創作物や表現への依拠性・類似性が強く疑われるものが見られたことを受け、声明を発表する必要があると判断したとしています。

声明では、基本的な考えとして、著作権侵害を容認しないという原則を再確認した上で、生成AIにより人の創作物を学習して生成物が創出される際に遵守・実行されるべき原則などが示されています。また、現時点での懸念事項、権利侵害への対応、今後の方針についても示されています。

生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明 [PDF:2ページ]
https://aja.gr.jp/wp-content/uploads/2025/10/30269151d7cdc6e9bcaeaace2a517c33.pdf

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英・オックスフォード大学出版局、Karger社の買収合意を発表

2025年11月4日、英国のオックスフォード大学出版局(OUP)が、出版社Karger Publishersの買収に関する最終合意書を締結したことを発表しました。

Karger Publishersは、スイスのバーゼルに本社を置きグローバルに活動を展開している、医療・健康科学分野に特化した出版社です。

買収手続は、2025年12月に完了する見込みとされています。

Oxford University Press announces agreement to acquire Karger(OUP, 2025/11/4)
https://corp.oup.com/news/oxford-university-press-announces-agreement-to-acquire-karger/

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『国立国会図書館月報』775号刊行:新連載「シリーズ 国立国会図書館のウラ側」の第1回として「ギャラリー展示のできるまで」を掲載

国立国会図書館(NDL)は、『国立国会図書館月報』775号(2025年11月)を刊行しました。

今号から、NDLの業務のバックヤードを写真等も交えて紹介する新連載「シリーズ 国立国会図書館のウラ側」が始まりました。その第1回として、「ギャラリー展示のできるまで」を掲載しています。東京本館で実施しているギャラリー展示について、華やかな展示会の裏側を支えるプロセスを紹介しています。

国立国会図書館月報775号(2025年11月) [PDF:5.4MB]
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_14499429_po_geppo2511.pdf?contentNo=1

国立国会図書館月報
https://www.ndl.go.jp/jp/publication/geppo/index.html

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信州大学附属図書館、「柳田邦男文庫」を開設

2025年10月17日付けで、信州大学附属図書館のウェブサイトにおいて「柳田邦男文庫」開設に関するお知らせが掲載されました。

信州大学は、2023年10月に、ノンフィクション作家・柳田邦男氏から約1万5,000冊の蔵書を受贈しました。その中には、医療問題、情報技術と人間との関係、死生観など、多様なテーマで作品を執筆する際に柳田氏が参考資料として実際に使用した資料が多数含まれているとあります。また、書き込みがそのまま残されているものもあり、作品が生まれるまでの思考の過程を追うことができる貴重な資料となっているとしています。

同文庫は、11月2日から中央図書館(長野県松本市)で公開されています。自由に手に取って閲覧することができるほか、貸出しも可能とあります(学外の人の貸出しに当たっては要利用登録)。

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Sage社、図書館司書や編集者といった公共の利益のために活動する“public-good curators”の重要性に焦点を当てたガイドを公開

2025年10月29日、Sage社が、図書館司書、編集者等の公共の利益のために活動する“public-good curators”の重要性に焦点を当てたガイドを公開したと発表しました。

ガイドでは、“public-good curators”を「情報の出所や評価方法について透明性を保つことにコミットしている個人」と定義し、信頼できる答えに至る道筋を守りつつ、適切な問いかけを促すことで、複雑な情報環境を社会が上手く乗り越える手助けをしているとしています。研究専門家、編集者、研究公正責任者、図書館司書、専門ジャーナリスト等が“public-good curators”に該当するとされています。

ガイドでは、“public-good curators”の役割の重要性が訴えられているほか、その活動を支える基本的な原則等が提示されています。

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欧州委員会、研究セキュリティ強化のための新たな措置を発表

2025年10月28日から30日までベルギーのブリュッセルで開催された第1回欧州研究セキュリティフラグシップ会議において、EUにおける研究セキュリティ強化のための新たな措置が発表されました。

スタートアップ・研究・イノベーション担当欧州委員Ekaterina Zaharieva氏が、近々提出される欧州委員会の欧州研究領域法(European Research Area Act)案に研究セキュリティに関する内容を盛り込むことを約束したとあります。

また、同会議では、次のようなEUの新たな取組についても取り上げられたとあります。

・欧州委員会内における新たな欧州研究セキュリティに関する欧州専門家センター(European Centre of Expertise on Research Security)の設立
・国際協力のリスク評価を支援するデュー・ディリジェンス・プラットフォームの構築
・加盟国が研究実施機関のレジリエンスを検証するための新たな共通手法

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