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英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)・英国図書館(BL)等、印刷資料の共同管理等を目的とした全国的なイニシアティブ“UK Print Book Collection”を開始

2025年10月22日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、Jisc及び英国図書館(BL)が、印刷資料の共同管理等を目的とした全国的なイニシアティブ“UK Print Book Collection”(UK PBC)を立ち上げました。

全国的に所蔵点数が限られる印刷資料の共同管理等に取り組み、将来にわたって希少な印刷資料の保存とアクセス提供を確保するものとあります。BLが中心となって運営され、同国の高等教育機関や専門図書館であれば、費用負担なしで参加可能としています。

Launch of the UK Print Book Collection (UK PBC)(RLUK, 2025/10/23)
https://www.rluk.ac.uk/launch-of-the-uk-print-book-collection-uk-pbc/

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米国の三つの図書館コンソーシアム、言論の自由に関する共同声明を発表

2025年10月23日、米国の三つの図書館コンソーシアムが、言論の自由に関する共同声明を発表しました。

声明を発表したのは、ペンシルバニア州の大学図書館の連合体“Partnership for Academic Library Collaboration & Innovation:PALCI”、イリノイ州の学術研究図書館のコンソーシアム“Consortium of Academic and Research Libraries in Illinois:CARLI”及びオレゴン州、ワシントン州、アイダホ州の大学で構成される非営利コンソーシアム“Orbis Cascade Alliance”です。声明は、これらの団体の理事会において2025年10月に承認されました。

図書館は、コレクション構築方針への圧力から検閲や研究へのアクセス制限に至る課題が山積するにつれ、集合的なエコシステムが影響を受けており、団結した声を上げることが不可欠となっているとしています。

声明では、全ての人が干渉されることなく、読書し、学び、意見を交換する権利を強く支持することなどが表明されています。

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米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、AIに関して大学図書館の職員に求められる能力を示した文書“AI Competencies for Academic Library Workers”を公開

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が、AIに関して大学図書館の職員に求められる能力を示した文書“AI Competencies for Academic Library Workers”を公開しました。

この文書は、2024年7月に設立されたACRLのAI Competencies for Library Workers Task Forceが策定し、2025年10月の理事会で承認されたものです。

AI Competencies for Academic Library Workers [PDF:10ページ]
https://www.ala.org/sites/default/files/2025-10/acrl_ai_competencies.pdf

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HathiTrust、リソース共有プロジェクトのパイロットを開始:著作権で保護された資料への合法的なアクセス手段の拡大に向けたプロジェクト

2025年9月25日、米国の大学図書館等による共同リポジトリ事業であるHathiTrustが、リソース共有プロジェクト(Resource Sharing project)のパイロットを開始したと発表しました。

著作権で保護された資料への合法的なアクセスの拡大を目指すものとあります。Hathi Trustに収録されているデジタル資料のうち著作権で保護されたコンテンツについて、パイロット参加館が所蔵する紙資料と同一のものがある場合に、参加館は章、記事、または抜粋部分のスキャンデータを取得することができるとあります。このサービスにより、パイロット参加館はより迅速かつ効率的に図書館間貸出し(ILL)やドキュメントデリバリーのリクエストに応えることができるとしています。

現時点ではパイロットに参加している9機関のみがサービスを利用することができますが、2026年初頭には全HathiTrust参加館に段階的に展開される予定とあります。

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北米研究図書館協会(ARL)と米・ネットワーク情報連合(CNI)、AIの影響を踏まえた計画策定を支援するための研究図書館向けツールキット“Futurescape Libraries AI Toolkit”を公開

2025年9月22日、北米研究図書館協会(ARL)と米・ネットワーク情報連合(CNI)が、AIの影響を踏まえた計画策定を支援するための研究図書館向けツールキット“Futurescape Libraries AI Toolkit”を公開しました。

ARLとCNIが2024年に公開した、将来の研究環境にAIがもたらす影響に関するシナリオ等を示した“ARL/CNI AI Scenarios”を図書館における計画策定に活用するためのツールキットとあります。

ARL/CNI Futurescape Libraries AI Toolkit Can Help You Thrive in the AI Landscape(ARL, 2025/9/22)
https://www.arl.org/news/arl-cni-futurescape-libraries-ai-toolkit-can-help-you-thrive-in-the-ai-landscape/

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Library Publishing Coalition(LPC)、デジタル保存に関する図書館出版者向けガイドを公開

2025年9月15日、図書館による出版活動を進める大学図書館等によるイニシアティブLibrary Publishing Coalition(LPC)が、デジタル保存に関する図書館出版者向けガイド“Quick Guides to Digital Preservation for Library Publishers”を公開しました。

図書館出版者に向けて、出版物のデジタル保存に取り組むための最初のステップを紹介したもので、「保存対象リストの作成」「保存方針の策定」等の4テーマで構成されています。LPCのウェブサイトからHTML版とPDF版が利用可能です。

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北米研究図書館協会(ARL)、加盟図書館員の給与調査レポートの2024年版を刊行

2025年9月17日、北米研究図書館協会(ARL)が加盟図書館員の給与調査レポートの2024年版“ARL Annual Salary Survey 2024”の刊行を発表しました。

118館の大学図書館に勤務する1万1,256人と、5館の大学以外の研究図書館に勤務する2,040人のデータを分析対象としています。大学図書館のデータは、総合図書館・健康科学図書館・法律図書館に分けて報告されています。

大学図書館に所属する9,567人の専門職について分析を行い、役職別に平均職歴と平均年収が紹介されています。

・経営幹部の平均職歴は22年、平均年収は17万7,800ドル(約2,600万円)
・上級管理職の平均職歴は18年、平均年収は11万2,600ドル(約1,700万円)
・管理職の平均職歴は15年、平均年収は9万1,400ドル(約1,300万円)
・その他の専門職の平均職歴は13年、平均年収は8万2,300ドル(約1,200万円)

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クロアチアの全国的なリポジトリシステム“DABAR”開始から10年の成果と課題(文献紹介)

2025年8月14日付けで、欧州研究図書館協会(LIBER)が刊行する査読誌“Liber Quarterly”の35巻1号(2025)に、クロアチアの全国的なリポジトリシステム“DABAR”に関する論文“National Repository Infrastructure and Open Access Challenges: The Croatian Perspective”が掲載されています。著者はザグレブ国立・大学図書館(NSK)のIvana Matijević氏とIvona Milovanović氏です。

“DABAR”は同国の高等教育研究機関による学術成果を保存し、オープンアクセス(OA)とするためのインフラストラクチャーを提供するため、NSKを含む複数機関の共同で2015年に立ち上げられました。学位論文、雑誌記事、会議録、研究データ等、24万9,000点以上が登録されているとあります。記事では、提供開始から10年を経た同システムの成果や今後の課題等について述べられています。

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北米の研究図書館協会(ARL)、研究データ管理計画に関するカリフォルニア電子図書館(CDL)との共同プロジェクト“Machine Actionable Plans (MAP) Pilot”の成果を公開

2025年9月3日、北米の研究図書館協会(ARL)は、研究データ管理計画(DMP)に関する、カリフォルニア電子図書館(CDL)との共同プロジェクト“Machine Actionable Plans (MAP) Pilot”の成果をウェブサイト上で公開しました。

博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成を受けて、2023年に開始された試行プロジェクトで、機械可読なDMPであるmaDMPs(machine-actionable data management plans)を既存の大学のシステム等に組み入れるための方策を検証すること等を目的としたものです。

プロジェクトの成果として、プロジェクトの概要をまとめた報告書、プロジェクト参加機関のケーススタディ、maDMPsの導入を検討している機関向けの推奨ガイドが、ARLのウェブサイトで公開されています。

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