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学術出版物のオープンサイエンスに関する実践状況と被引用数との関係性:フランスを対象とした研究(文献紹介)

2025年8月28日付けでプレプリントサーバーarXivに、フランスで発表された学術出版物を対象として、オープンサイエンスに関する実践状況と被引用数との関係性を分析した論文“An analysis of the effects of open science indicators on citations in the French Open Science Monitor”が掲載されています。著者は、デンマーク・コペンハーゲン大学のGiovanni Colavizza氏等です。

フランスの研究者が2020年から2022年にかけて発表した論文等の学術出版物約58万件を対象として、プレプリントの公開、研究データの共有といったオープンサイエンスの実践状況と被引用数との相関関係が分析されたとあります。主な結果として、オープンサイエンスの実践状況と被引用数との間には正の相関関係が認められたこと等が示されています。

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研究データ同盟(RDA)、国家レベルの永続的識別子(PID)戦略に関するホワイトペーパーを公開

2025年8月26日、研究データ同盟(Research Data Alliance:RDA)が、国家レベルの永続的識別子(PID)戦略に関するホワイトペーパー「National PID Strategies – The Value of RDA for Policy White Paper Series」を公開しました。

2025年5月15日と20日、RDAは、国家レベルのPID戦略など、研究に不可欠なインフラを形成する重要な政策分野に焦点を当てたワークショップを開催し、ホワイトペーパーを公開しました。

同ホワイトペーパーでは、国家レベルのPID戦略がどのように研究効率を向上させるか、RDAの「PID戦略ガイドとチェックリスト」が政策に関して柔軟で世界的に整合性のある枠組みをどのように提供するかについて解説されています。

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北米の研究図書館協会(ARL)、研究データ管理計画に関するカリフォルニア電子図書館(CDL)との共同プロジェクト“Machine Actionable Plans (MAP) Pilot”の成果を公開

2025年9月3日、北米の研究図書館協会(ARL)は、研究データ管理計画(DMP)に関する、カリフォルニア電子図書館(CDL)との共同プロジェクト“Machine Actionable Plans (MAP) Pilot”の成果をウェブサイト上で公開しました。

博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成を受けて、2023年に開始された試行プロジェクトで、機械可読なDMPであるmaDMPs(machine-actionable data management plans)を既存の大学のシステム等に組み入れるための方策を検証すること等を目的としたものです。

プロジェクトの成果として、プロジェクトの概要をまとめた報告書、プロジェクト参加機関のケーススタディ、maDMPsの導入を検討している機関向けの推奨ガイドが、ARLのウェブサイトで公開されています。

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サントリー文化財団、「山崎正和アーカイブ」を公開

2025年8月19日、公益財団法人サントリー文化財団は、劇作家・評論家である山崎正和氏(1934-2020)の蔵書等を収録したデータベース「山崎正和アーカイブ」を公開しました。

同アーカイブは、山崎正和氏の遺族から寄贈された蔵書・資料を、将来の学術研究に資することを目的として、整理、記録、デジタル化したもので、同財団の「山崎正和記念事業」の一環として作成、運営されています。

今回の公開では、主に次のコンテンツが提供されています。

・蔵書類データベース:蔵書目録。一部は、「バーチャル書棚」として仮想再現される。
・デジタルアーカイブ:蔵書のうち書き込み等があるページをデジタル化したもの
・著作リスト
・年譜・出来事

データは、Linked Open Data(LOD)として構築され、SPARQLを用いた検索も可能です。また、デジタル化された画像データは、国際規格IIIFに準拠したビューアで閲覧可能です。

今後も更なる充実に努めるとしています。

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【イベント】ジャパンリンクセンター(JaLC)、「2025年度JaLCミニセミナー―DOIとDOI登録の基礎―」(9/9・オンライン)

2025年9月9日、ジャパンリンクセンター(JaLC)が、「2025年度JaLCミニセミナー―DOIとDOI登録の基礎―」をオンラインで開催します。

対象は、JaLC会員、各機関のDOI関連業務の担当になったばかりの人、DOI登録に関心のある人などです。

主なプログラムは次のとおりです。

・DOIとJaLCの基礎(JaLC事務局)
・学術機関リポジトリデータベース(IRDB)からのJaLC DOI登録について(国立情報学研究所(NII)IRDB担当)
・質疑応答

【開催予定】2025年度JaLCミニセミナー -DOIとDOI登録の基礎-(JaLC)
https://japanlinkcenter.org/top/event/2025jalc_doito.html

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【イベント】国立情報学研究所(NII)、研究データエコシステム構築事業シンポジウム2025(10/9-10・東京都、オンライン)

2025年10月9日と10日に、国立情報学研究所(NII)の主催により、「研究データエコシステム構築事業シンポジウム2025」が、一橋大学一橋講堂及び中会議場(東京都千代田区)における会場参加とオンラインで開催されます。

NIIは、デジタル技術とデータ活用による研究活動の変革(研究DX)を全国的に促進するため、「ユースケースの形成、普及」「データ共有・利活用の促進」「研究デジタルインフラ等の効果的活用」を一体的に進めることを目的とした文部科学省の事業である「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」を受託し、実施に取り組んでいます。

今回のシンポジウムでは、政策的な観点と利用者の視点の両面からエコシステムの構築に向けて議論するとしています。

参加費は無料で、定員は会場参加が200人(オンラインは制限なし)です。参加に当たって事前の申込みが必要です。

研究データエコシステム構築事業シンポジウム2025
https://rdes.rcos.nii.ac.jp/

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オーストラリア研究会議(ARC)、新たな研究評価方法の開発と永続的識別子(PID)に関するアクションプランを発表

2025年7月31日、オーストラリアの主要な研究助成機関であるオーストラリア研究会議(Australian Research Council:ARC)は、新たな研究評価方法を開発中であると発表しました。

評価方法は、オーストラリアにおける研究について理解度を高め、卓越性を認識し、功績を称えるための有用なツールとすることを目指しているとしています。現在、開発中の評価方法が研究コミュニティのニーズを満たすものであるかを確認するための協議を行っており、協議用の草案(Consultation Draft)が公開されています。

また、7月28日、ARCは、永続的識別子(PID)の使用拡大を目指す「PIDアクションプラン」を発表しました。その目標達成に向け、2025年に作業に着手し、2026年末までに完了する予定としています。

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