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Science Europe、オープンサイエンスの実践が研究文化に与える影響に関する報告書を公表

2025年10月20日、欧州の研究機関・研究助成機関から構成されるScience Europeが、オープンサイエンスの実践が研究文化に与える影響に関する報告書“Scoping Review: the Contributions of Open Science to Research Culture”を公表しました。

Science Europeの委託を受けて、オランダ・ライデン大学の科学技術研究センター(Centre for Science and Technology Studies:CWTS)の研究者等が共同で作成したものです。報告書では、オープンサイエンスに関する学術文献及び灰色文献62件をレビューし、オープンサイエンスの実践が研究文化に与える影響、その背景にあるメカニズムや要因等が分析されているとあります。

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研究コミュニティを支援するオープンな学術インフラ提供機関等の運営・維持のためのガイドライン“The Principles of Open Scholarly Infrastructure”(POSI)の第2版が公開

2025年10月付けで、研究コミュニティを支援するオープンな学術インフラ提供機関等の運営・維持のためのガイドラインを示した“The Principles of Open Scholarly Infrastructure”(POSI)の第2版が、POSIのウェブサイト上で公開されました。

同ガイドラインは、Crossref、DataCite、DOAJを始めとする、POSIを採用している組織やイニシアティブが共同で管理しているものです。

The Principles of Open Scholarly Infrastructure
https://openscholarlyinfrastructure.org/
※“POSI version 2.0 released October 2025”とあります。

POSI Adopters
https://openscholarlyinfrastructure.org/adopters/

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慶應義塾大学、「慶應義塾オープンサイエンス総合案内サイト」を公開

2025年10月17日、慶應義塾大学研究推進支援ポータルサイトにおいて、「慶應義塾オープンサイエンス総合案内サイト」の公開が発表されました。

昨今のオープンサイエンスを巡る急激な環境変化に対応し、学内の研究活動を支援するための新たな情報集約サイトとあります。研究データ管理計画(DMP)の作成から、研究遂行中のデータ保管・共有、論文のオープンアクセス(OA)化や研究データの公開に至るまで、研究のライフサイクル全体を網羅した情報を一元的に提供するとしています。

「オープンサイエンス総合案内サイト」リリースのお知らせ(慶應義塾大学研究推進支援ポータルサイト, 2025/10/17)
https://www.research.keio.ac.jp/news/2025/10/post-23.html

慶應義塾オープンサイエンス総合案内サイト
https://sites.google.com/keio.jp/open-science/home

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米ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)、新たなオープンアクセス方針を発表

2025年9月24日付けで、米国の医学研究機関ハワード・ヒューズ医学研究所(Howard Hughes Medical Institute:HHMI)が、HHMIの研究者を対象とした新たなオープンアクセス(OA)方針“Immediate Access to Research Policy”を発表しました。

現行のOA方針である“Open Access to Publications Policy”に代わるものです。新方針では、HHMIの研究者に対し、自身が筆頭著者、最終著者又は責任著者として執筆した研究論文をプレプリントとして公開するよう義務付けること等が示されています。2026年1月1日から適用が開始されるとあります。

Publishing and Sharing(HHMI)
https://www.hhmi.org/about/policies/publishing-sharing
※Documentsの項目に“HHMI Immediate Access to Research Policy (effective January 1, 2026)”が掲載されています。

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オープンサイエンスの経済的インパクト:スコーピングレビュー(文献紹介)

英国王立協会(The Royal Society)が刊行するオープンアクセス(OA)誌“Royal Society Open Science”の12巻9号に、オープンサイエンスの経済的インパクトに関するレビュー記事“The economic impact of open science: a scoping review”が掲載されています。著者は、ギリシャ・アテネ大学のLena Tsipouri氏等です。

オープンサイエンスの経済的インパクトに関するエビデンスを記した、2000年から2022年までに英語で出版された査読済み論文のレビューが行われ、その結果等がまとめられています。特に、オープンアクセス(OA)、オープン/FAIRデータ(OFD)、オープンソースソフトウェア(OSS)、オープンメソッドに焦点が当てられており、それらが研究成果の効率性向上、イノベーションの促進、そして経済成長にどのように寄与してきたかが評価されています。

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OA2020と研究情報のオープン化に関するバルセロナ宣言、学術出版物のメタデータのオープン化に取り組む共同タスクフォースを設立

2025年10月2日、学術雑誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”と研究情報のオープン化に関するバルセロナ宣言は、学術出版物のメタデータのオープン化に取り組む共同タスクフォース“Joint Task Force on Negotiating Openness of Publication Metadata”の設立を発表しました。

学術出版物のメタデータを始めとする研究情報の多くが有料のシステム上で提供され、ブラックボックスと化しているという現状に対して、同タスクフォースは、研究機関と学術出版者間の契約交渉において、メタデータのオープン性を要件に組み込むための戦略策定等に取り組むものとあります。

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【イベント】日本医療研究開発機構(AMED)、令和7年度 研究公正セミナー「研究データ管理の観点から、研究の信頼性を高めよう!」(10/30、11/27・東京都、大阪府、オンライン)

2025年10月30日と11月27日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の主催で、令和7年度 研究公正セミナー「研究データ管理の観点から、研究の信頼性を高めよう!」が対面及びオンラインで開催されます。対面の会場は、10月30日が大手町三井カンファレンス(東京都千代田区)、11月27日がコングレスクエア グラングリーン大阪(大阪府大阪市)です。

研究データに関する21世紀以降の中長期的な流れと、近年議論されるようになったオープンサイエンスの両方の観点から研究データ管理の原則を再度見直すことを目的としています。

当日のプログラムは次のとおりです。

・講演1「研究データの”信頼性”とは、そしてそれを”管理する”とは」
飯室聡氏(国際医療福祉大学教授)
・講演2「実験科学における研究の信頼性を考える」
田中智之氏(京都薬科大学教授)
・講演3「オープンサイエンス時代のデータ管理教育 -学生には何を求めるべきか-」
岡林浩嗣氏(筑波大学准教授)
・講演4「研究データの公正性と信頼性を支えるGakuNin RDMの戦略」
込山悠介氏(国立情報学研究所准教授)
・意見交換会(対面参加者のみ)

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フランスの高等教育・研究省等、オープンサイエンスの推進を目的とした国際的イニシアティブ“Global Research Initiative on Open Science”(GRIOS)を立ち上げ

2025年9月24日、フランスの高等教育・研究省が、欧州科学財団(European Science Foundation)、オランダ科学研究機構(NWO)、フランス国立科学研究センター(CNRS)と共同で、オープンサイエンスの推進を目的とした国際的イニシアティブ“Global Research Initiative on Open Science”(GRIOS)を立ち上げると発表しました。

オープンサイエンスに関する既存の研究成果を検証・統合し、更なる普及に向けた障壁を特定することで、オープンサイエンスの実践と政策を推進することを目的としたイニシアティブとあります。今後四年間にわたって、研究成果の包括的なレビュー、エビデンスに基づく政策提言等に取り組む予定としています。

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フランス・オープンサイエンス委員会、オープンサイエンス国家基金の活動報告書(2022~2024)を公表

2025年9月15日、フランス・オープンサイエンス委員会が、オープンサイエンス国家基金(Le Fonds national pour la science ouverte:FNSO)の活動報告書(2022~2024)をウェブサイト上で公表しました。

この報告書は、2019年に創設されたFNSOに関する二度目の活動報告書であり、オープンサイエンスに関する第2次国家計画に基づいて資金提供された2022年から2024年までの活動の概要をまとめています。研究データ管理・共有・公開のためのプラットフォーム“Recherche Data Gouv”の創設や、オープンな科学出版・編集を支援するプロジェクト等のため、総額約1,260万ユーロが運用されたとしています。

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学術出版物のオープンサイエンスに関する実践状況と被引用数との関係性:フランスを対象とした研究(文献紹介)

2025年8月28日付けでプレプリントサーバーarXivに、フランスで発表された学術出版物を対象として、オープンサイエンスに関する実践状況と被引用数との関係性を分析した論文“An analysis of the effects of open science indicators on citations in the French Open Science Monitor”が掲載されています。著者は、デンマーク・コペンハーゲン大学のGiovanni Colavizza氏等です。

フランスの研究者が2020年から2022年にかけて発表した論文等の学術出版物約58万件を対象として、プレプリントの公開、研究データの共有といったオープンサイエンスの実践状況と被引用数との相関関係が分析されたとあります。主な結果として、オープンサイエンスの実践状況と被引用数との間には正の相関関係が認められたこと等が示されています。

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オランダ・ユトレヒト大学図書館、学術文献データベース“Web of Science”のライセンス契約を終了:オープンな研究情報の活用を目指す大学の取組の一環として

2025年9月8日、オランダ・ユトレヒト大学図書館が2026年1月をもって学術文献データベース“Web of Science”のライセンス契約を終了することを発表しました。

発表では、今回の決定がオープンサイエンスを推進する同大学の方針に沿ったものであり、クローズドな商用データベースに代わって、オープンな研究情報の活用を目指す大学の取組の一環であること等に触れつつ、契約終了の背景が説明されています。

Access to Web of Science will end on 1 January 2026(Utrecht University, 2025/9/8)
https://www.uu.nl/en/news/access-to-web-of-science-will-end-on-1-january-2026

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【イベント】研究大学コンソーシアム(RUC)、学術情報流通に関する連続セミナー第11回「研究情報のオープン化がもたらすもの:OpenAlexを用いたオープンアクセス分析」(9/26・東京都、オンライン)

2025年9月26日、研究大学コンソーシアム(RUC)学術情報流通の在り方に関する連絡会が、学術情報流通に関する連続セミナーの第11回をビジョンセンター東京八重洲(東京都中央区)における会場参加とオンラインにより開催します。

今回のテーマは「研究情報のオープン化がもたらすもの:OpenAlexを用いたオープンアクセス分析」です。沼尻保奈美氏(京都大学附属図書館研究開発室助教)により、研究情報のオープン化を目指して策定された「バルセロナ宣言」について解説が行われます。また、その理念を体現するオープンな研究情報データベース「OpenAlex」を用いた学術論文のオープンアクセス(OA)分析結果についても話を聞くとあります。

定員は、会場参加が50人、オンラインが500人です。参加に当たっては事前の申込みが必要です。

学術情報流通に関する連続セミナー 第11回(2025年9月26日)(RUC, 2025/8/22)
https://www.ruconsortium.jp/tf/cat2/cat/gakujyutsu_seminar_11.html

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ユネスコ、「オープンサイエンスに関する勧告」を受けた、加盟国の取組状況をまとめた初の統合報告書を公開

2021年11月にユネスコの第41回総会で採択された「オープンサイエンスに関する勧告」を受けた、加盟国の取組状況をまとめた初の統合報告書がユネスコのウェブサイト上で公開されています。

日本を含む77か国からの報告に基づき、主要な動向等がまとめられています。同報告書は、今後、2025年秋に開催予定のユネスコの執行委員会(Executive Board)及び総会に提出される予定であり、より包括的な分析結果は2026年初めに公表予定としています。

First consultation on the implementation of the 2021 Recommendation on Open Science(UNESCO, 2025/9/3)
https://www.unesco.org/en/open-science/2025reports

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