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Sage社、図書館司書や編集者といった公共の利益のために活動する“public-good curators”の重要性に焦点を当てたガイドを公開

2025年10月29日、Sage社が、図書館司書、編集者等の公共の利益のために活動する“public-good curators”の重要性に焦点を当てたガイドを公開したと発表しました。

ガイドでは、“public-good curators”を「情報の出所や評価方法について透明性を保つことにコミットしている個人」と定義し、信頼できる答えに至る道筋を守りつつ、適切な問いかけを促すことで、複雑な情報環境を社会が上手く乗り越える手助けをしているとしています。研究専門家、編集者、研究公正責任者、図書館司書、専門ジャーナリスト等が“public-good curators”に該当するとされています。

ガイドでは、“public-good curators”の役割の重要性が訴えられているほか、その活動を支える基本的な原則等が提示されています。

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全国47都道府県の公共図書館員が選ぶ“地元を代表する一冊”が集う文学賞「本の甲子園」の開催が発表される

2025年10月24日、新たな文学賞「本の甲子園」の開催が発表されました。発起人である作家の今村翔吾氏が、第27回図書館総合展の講演会において発表しました。

「本の甲子園」は、全国47都道府県の公共図書館員が選ぶ“地元を代表する一冊”が集う文学賞とあります。NDC分類913.6(日本の小説)に属する、地元作家による作品を対象とし、各都道府県の図書館員の投票により代表となる1冊が選ばれます。その後、各都道府県で選ばれた計47冊の中から、トーナメント戦により1冊が選ばれるとあります。47都道府県の頂点に輝く1冊は、2026年10月に決定されます。大会を通して、読書文化の新たな広がりや地域との関わりを生み出すことを目指すとしています。

選考委員(作品の選考や投票を行う図書館員)とエントリー作家の募集が行われています。応募期間は、2025年10月24日から12月31日までです。

@honno_koshien(X, 2025/10/24)
https://x.com/honno_koshien/status/1981566641772310563

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「図書館員が選んだ!ぎふ本大賞」が初開催:岐阜県図書館等において共通テーマ展示を開催

2025年10月10日、「図書館員が選んだ!ぎふ本大賞」が初開催されたことが、岐阜県図書館のウェブサイト等で発表されました。

「図書館員が選んだ!ぎふ本大賞」は、岐阜県公共図書館協議会(事務局:岐阜県図書館)加盟館の図書館員がおすすめしたい本を投票で選ぶもので、同協議会と加盟館による共同事業です。2025年が初開催とあります。

「図書館員が選んだ!ぎふ本大賞2025」では、2022年4月から2025年3月までに出版された本の中から、部門①「ぎふ本」(岐阜県内の事象(歴史・文化・産業など)・人物を扱った著作や岐阜を舞台にした著作(児童書、絵本を含む))と部門②「ぎふ出身作家」(県出身作家の文芸作品(児童書、絵本を含む))について選出されました。加盟館36館の図書館員223人が投票し、部門①「ぎふ本」大賞には『スマホを置いて旅したら』(ふかわりょう著)、部門②「ぎふ出身作家」大賞には『ハヤブサ消防団』(池井戸潤著)が選ばれました。

岐阜県図書館では、2025年11月1日から11月30日まで、関連資料展示が行われます。その他の加盟館においても資料展示が開催される予定です。

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【イベント】日本図書館協会非正規雇用職員に関する委員会、非正規雇用職員セミナー「変わるか 会計年度任用職員と公契約条例」(12/15・東京都、オンライン)

2025年12月15日、日本図書館協会(JLA)非正規雇用職員に関する委員会の主催により、非正規雇用職員セミナー「変わるか 会計年度任用職員と公契約条例」が日本図書館協会(東京都中央区)における会場参加とオンラインにより開催されます。

会計年度任用職員制度については、2024年の総務省通知以後、雇用止めを廃止したり、短時間正規公務員の採用を始めた地方公共団体が見られるようになってきたとあります。セミナーでは、上林陽治氏(立教大学コミュニティ福祉学部特任教授)による講演「会計年度任用職員と公契約条例」が行われます。会計年度任用職員制度の現在の状況や公契約条例について話を聞くとしています。

会場参加、オンラインとも、参加費は500円で、定員は80人です。参加に当たっては事前の申込みが必要です。

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フランス・文化省、地方図書館に求められる能力についてまとめた“Le référentiel national des compétences des bibliothèques territoriales”の2025年版を公表

2025年9月15日、フランス・文化省が、地方図書館(地方公共団体が設置する公立図書館)に求められる能力についてまとめた“Le référentiel national des compétences des bibliothèques territoriales”の2025年版を公表しました。

先の2022年版を、現場からのフィードバック等を踏まえて改訂し、充実を図ったもので、地方図書館に必要な能力の全体像を示すとともに、各地域の状況に応じて柔軟に活用できるツールとなっているとされます。

2025年版には、新たな能力領域、見直し・更新された能力のリスト、活用を支援する多数のツールが含まれているとあります。

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カナダ公務員労働組合(CUPE)、ブリティッシュコロンビア州の図書館職員の健康と安全に関する2025年調査報告書を公表

2025年9月付けで、カナダ公務員労働組合(CUPE)が、ブリティッシュコロンビア州の図書館職員の健康と安全に関する2025年調査報告書を公表しました。

同調査は、2025年4月及び5月の6週間にわたり、州全体の75のコミュニティに属する約600名の図書館職員に対して行われました。

報告書では、次のような調査結果が示されています。

・83%が、職場において安全ではないと少なくとも時々感じている。
・77%が、人員不足により仕事の危険性が高まっていると回答した。
・65%が、職場におけるインシデント時に緊急通報が必要であった。
・90%が、痰、使用済み注射針、血液、排泄物などの生物学的有害物質にたびたび曝されている。

Making B.C.’s Libraries Safe for Everyone: What Library Workers Are Telling Us(CUPE)
https://cupe.ca/bc-library-safety

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図書館員のスキルセットとAIのニーズ(文献紹介)

2025年8月22日付けで、Cataloging & Classification Quarterly誌にOA記事“The Librarian Skillset and the Needs of Artificial Intelligence”が掲載されました。著者は、Elsevier Discovery LabのCorey Harper氏等です。

あらゆる分野でAI関連の新たな業務が生まれている今日、図書館員の能力と密接に関連する新たなスキルの重要性が認識されるようになってきたとあります。図書館員のスキルが特に重要になってくるAI関連業務として、情報組織化、文書作成支援、社会的影響の評価、ユーザーと開発者の双方のコミュニティとの連携が含まれるとしています。記事では、米国図書館協会(ALA)が定める図書館員の能力(competency)及び図書館情報学カリキュラムと、AI分野における必要なスキルとの対応関係のマッピングが試みられています。また、責任あるAIと社会正義、データエンジニアリングと評価など、五つの対応領域における分析も行われています。

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